やってきたのは、東京から新幹線で70分の場所にある栃木県の那須塩原市。住人(アルジ)は、夫妻ともに都内の会社に勤めながら移住した3人家族で、2年前新居を構えた。那須といえば、皇室の「那須御用邸」がある古くからセレブたちの別荘地として選ばれていた地域だが、最近は若いファミリーの移住が増えているという。

重要文化財を借景とした大きな窓


 そんなエリアにある住人(アルジ)の住まいは245坪という広大な土地を活かした大きな平屋。実は土地の価格が1坪あたり3万円と東京のおよそ100分の1という格安で購入したという。

 結婚後、東京のマンションで暮らしていた一家。コロナ禍で毎日リモートワークになり、子どもと公園でばかり遊ぶようになると、仕事も子育ても都会にいる必要がなくなったと感じるように。そこで移住先として自然の多い別荘地を探す中で、街中の便利さと自然のバランスがいいという那須塩原ならではのメリットを発見、購入を決意。

 広々とした玄関を抜けたメインスペースは、リビングダイニングキッチンをひとつながりにした約30帖の大空間。天井高も5メートルと開放感抜群だ。そんなスペースで目を引くのが、木立のてっぺんまで見える大きな窓。なんと家の隣に重要文化財の邸宅などを有する森があり、住人(アルジ)が気に入ったこの景観を借景にするため、大開口を取り付けた。

天井まである大きな窓が特徴の約30帖と広々としたリビングダイニングキッチン

 実は「動線マニア」だという妻。平屋にはさまざまな“家事楽動線”が張り巡らされている。キッチンは大きな窓から森を眺めるため、あえて作業台とコンロを分けてレンジフードは壁側に。おかげで作業スペースが広くなったそう。

棚と収納ボックスできれいに整理されたパントリー


 キッチン横の扉を抜けると、棚と収納ボックスできれいに整理されたパントリーが。出入口は2か所あり、ぐるりと回遊できる動線になっている。料理中はシンクやコンロに近い方からアクセス。宅配を受けた時は玄関側から。しかも玄関側の扉は荷物で手がふさがっていても押せば開くドアノブにした。

片手で推して空けることのできるドアノブ

 キッチン裏には平屋ながら階段があり、上はリモートワークをするロフトスペースになっている。リビングを見下ろすことができるので、仕事中でも遊ぶ子どもの様子が見えて安心。さらに大きな窓から望む借景がよく見える特等席になっている。

下の様子を眺めながらリモートワークができるロフトスペース

 キッチン横にある扉の奥には白を基調とした洗面スペースがあり、その隣は洗濯物が干せるランドリールーム。自然豊かな那須塩原では外干しにすると花粉や虫がつくため、すべて部屋干しにしているのだ。ランドリールームはLDKからもアクセスできるようになっており、家族が入浴中でも洗面脱衣室を通らずにランドリールームに行けるという便利な回遊動線になっている。服は干したまま寝室につながるウォークスルークローゼットに収納。寝室で起きてすぐに着替えることもできる。

洗面スペースからもLDKからもアクセスできるランドリールーム

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