客からの過剰なクレームといったカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」について、帝国データバンクが23日に発表した「カスタマーハラスメントに関する企業の意識調査(有効回答企業数1万1068社)」によりますと、直近1年でカスハラ被害が「ある」と回答した企業は15.7%で、「ない」と回答した企業は65.4%でした。
「ある」と回答した企業を業界別で見ると、小売業が34.1%と一番多く、続いて金融業(30.1%)、不動産業(23.8%)となり、個人を相手にしたやり取りの多い業種に高い傾向となりました。
こうした企業からは「自分のわがままを押し通そうとし、思い通りの結果にならないと罵倒する年配の方が多い」「近年はネットに書くと脅されるほか、一方的に事実無根の悪評を書き込まれ、対応に苦慮している」といった声が聞かれたということです。
一方、「ない」と回答した企業からは「どこまでの発言・行為がカスハラに該当するのか不明なため、判断しづらい」といったカスハラかどうかの判断の難しさを指摘する声が聞かれたということです。
また、カスハラ対策については、取り組んでいる企業(50.1%)と特に取り組んでいない企業(47.4%)がほぼ半数ずつという結果になりました。
帝国データバンクは、カスハラ対策の今後の促進に向けては「セクハラやパワハラのように社会的にカスハラに当たるか否かのライン設定を明確化し、許さない雰囲気を醸成することが重要」だと指摘しています。
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