(ブルームバーグ): バイデン米大統領が大統領選からの撤退と、自身に代わる候補としてハリス副大統領支持を表明したことが、トランプ前大統領返り咲きの可能性を高めるのか、あるいは低下させるかを巡り、投資家は週明けから判断に追われている。

  トレーダーが最も早く対応できるのはアジア時間22日の為替取引だ。ドルはシドニー時間の取引でスイス・フランとオーストラリア・ドルに対して下落した。一方、対円では1ドル=157円台半ばでほぼ変わらず。

  クレジットサイツの米投資適格級・マクロ戦略責任者ストラテジスト、ザカリー・グリフィス氏は「この発表の第一の影響は不確実性の増大だろう。これは通常、市場をリスクオフモードにする。株式の売りと質への逃避が広がるだろう」との見方を示した。

  大統領選討論会で精彩を欠いたバイデン大統領(81)がもう1期務める能力が懸念されて以来、数週間にわたって金融市場はバイデン氏再選の可能性を低く見積もっていた。共和党のトランプ氏が主張する財政政策の緩和、関税引き上げ、規制緩和から恩恵を受けると見受けられる取引が総じて選好されてきた。

  金融市場は、ドル高、米国債利回り上昇、銀行やヘルスケア、エネルギー株上昇に加え、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの上昇を想定してきた。

  投資家にとって問題は、バイデン氏が撤退を表明した現在、こうした取引を続けるべきかどうかだ。ハリス氏が党の指名を獲得するかどうかや、世論調査におけるトランプ氏のリードに対抗できるだけの勢いをつけられるかどうかを見極めようとする中で、市場は不安定に推移するかもしれない

原題:Biden Exit Leaves Markets Asking What’s Next for Trump Trade (1)(抜粋)

--取材協力:Matthew Burgess、Carter Johnson、Liz Capo McCormick、Michael Mackenzie、Tasos Vossos.

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