2024年のサクランボは、6月の高温などの影響で収穫量が過去最低水準となるおそれが出ている。そうした中、独自の対策で高温の影響をほぼ受けなかったという生産者がいる。2025年に向けてどんな対策をとればよいのか聞いた。
サクランボの実がぬれるよう水まき
2024年の県産サクランボは、2023年の高温の影響で実がくっついた「双子果」が見られた。さらに6月の高温で、出荷できない「うるみ果」も多く発生した。
この記事の画像(11枚)こうした中、山形・上山市にある「高橋フルーツランド」では2024年、独自の高温対策を行い、2023年よりも収穫量が増えたという。
高橋フルーツランドの高橋真也社長は「ことしはうちのは最高で良かった。収量も今まで以上、去年以上に採れたし、傷みが出ているサクランボも少なかった」と話す。
高橋さんの農業用ハウスに入ってみると、天井付近に水をまくための「スプリンクラー」が並んでいる。これが1つ目の高温対策だ。通常、スプリンクラーは、木の根元に水をまくために下の方にぶら下がっているが、高橋さんはあえて上向きに取り付けた。
サクランボの実がぬれるように1日5時間、30分おきに上から水をまくことで、サクランボの実やハウス内の温度を下げることができたという。
ーースプリンクラーの位置で役割が変わる?
高橋フルーツランド・高橋真也社長:
これは初めてやった。夕方・朝にさらっと水をかけることはやっていたが、サクランボ自体に水をかけるのは初めての体験。それで気温は下がる
遮光ネットでハウス内の温度下げる
もう一つの高温対策が直射日光をさえぎる「遮光ネット」だ。高橋さんは6月上旬から、日差しをさえぎる遮光ネットをかけた。
遮光ネットは、縦40メートル・横7メートルの大きさで1枚10万円と高額のため、費用が安い「遮光塗料」も併せて使っている。
水で薄めて使う遮光塗料は1つ(10リットル)1万円程度。雨が降ると何度も塗る必要はあるが、遮光ネットと同様に、ハウス内の温度を約2℃~4℃下げられるという。
高橋さんは、「サクランボで有名な山形県なので、収量が落ちるようなことはないように、手入れをしっかりして来年のサクランボに向けて頑張っていきたい」と語った。
県は2025年に向けた高温対策として、高橋さんの園地と同様に「水まき」や「遮光ネット」の設置が有効だとして、7月~9月にかけて、可能な範囲での実施を呼びかけている。
※高橋フルーツランド・高橋真也社長の「高」はハシゴダカ
(さくらんぼテレビ)
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