今年、日本を訪問する外国人観光客は3500万人に。その消費額は8兆円規模に達する見込みです。政府は今後も訪日客を増やす方針ですが、オーバーツーリズムや航空燃料不足が足かせとなりそうです。
■オーバーツーリズムと航空燃料不足
今、急増している訪日外国人客。2024年、上半期の訪日外国人客は1800万人近くに上り、過去最多。まさに右肩上がりで増えています。
さらに、訪日外国人客の旅行消費額も、年間8兆円も視野に入るほど伸びています。
岸田文雄総理大臣
「地方への誘客促進とオーバーツーリズムの未然防止・抑制に取り組むことが重要」
岸田総理は19日、“観光立国”日本を推進するための対策を、次のように指示しました。
岸田文雄総理大臣
「国立公園制度100年を迎える2031年までに、地域の理解と環境保全を前提に世界水準のナショナルパーク化を実現すべく、民間活用による魅力向上事業を実施して下さい」
全国35カ所あるすべての国立公園で、宿泊施設の誘致などによる魅力向上の取り組みを進めるものです。
88年前、「富士箱根国立公園」として指定された富士山。20日も多くの外国人客の姿が。
台湾から来た人
「私たちは台湾から来ました。楽しみです」
「楽しみです」
フランスから来た人
「きょうは富士山にチャレンジします。山頂までです」
「日本の景色を見る。夕焼けだよ」
今年始まった「登山者数の制限」。山梨県は5合目登山口にゲートを設け、一日の登山者数の上限を設定し、通行料を徴収。夜間は、登山道閉鎖の規制を始めています。
規制導入の理由は、オーバーツーリズムの解消や環境保全、そして「弾丸登山」の防止です。
10日は半袖にジーパン姿の外国人男性が富士山に登ろうとしていました。さらに、別の場所でも短パンにスニーカー姿の外国人観光客の姿が…。
外国人観光客
「(Q.大丈夫?)大丈夫だよ」
後を絶たない、軽装備での富士登山。富士山の絶景撮影スポットでは。
中国から来た人
「ここはネット上で広く知られているスポットなんです」
スウェーデンから来た人
「スウェーデンでここの評判を耳にしました。富士山や裾野の街並みを見ようと思って」
中国から来た人
「富士山はきれいで、世界に1つしかありませんから」
特定のコンビニ店に外国人観光客が集結し、黒幕が設置される事態にもなっていました。
また、外国人観光客が宿泊する地域も特定都市に集中しています。特に多いのは東京。続いて、大阪、京都です。
都道府県別で6番目に多い北海道では、インバウンド需要は回復していますが、航空燃料の不足で外国エアラインの新規就航や増便ができない事態が発生。
帯広空港から仁川(インチョン)空港を結ぶチャーター便がキャンセルとなっています。
土産物店 小島武夫オーナー
「それは残念ですよね。そんなことで来ないとは思わなかったから。入ってこないことにはしょうがない」
航空燃料不足で新規就航や増便ができないのは全国で15空港、週140便に上ります。
その原因には燃料を運ぶ船やタンクローリーの船員や運転手の人手不足も関係しているとみられ、今のところ、解決の見通しが立っていません。
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