(ブルームバーグ): トヨタ自動車など米国での販売台数で上位を占める5社が、各社が掲げる電動化目標をクリアしたとしても米国環境保護局(EPA)の排ガス規制基準に届かない恐れがある。環境保護団体グリーンピースが各社の販売目標などを基に予測を示した。

  グリーンピースのリポートによると、販売目標に基づく32年のトヨタの平均二酸化炭素(CO2)排出量はEPAが示す新基準値の2.5倍、日産自動車は同1.8倍となる。一方でホンダ、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォードは8-12%の超過にとどまる見込みだ。

  気候変動への懸念が高まる中、米国は3月、27-32年モデルを対象に自動車の排ガス規制を強化した。見直しを求める声などを受けて当初案からは基準値は緩和されたものの、適合するためにはEVやPHV販売比率を大幅に引き上げる必要がある。

  日本勢は中長期的にはEVを拡充する方針で、例えば昨年のEV販売がわずか約10万4000台だったトヨタは26年に150万台、30年に350万台まで拡大する目標を掲げる。今後消費者の関心が急速に高まることなどで、実際の販売が各社の示す目標を上回るケースもあり得る。ただ新しい基準に適合できない見通しとの確度が高まれば、今後目標引き上げを迫られる可能性もある。

  日産の広報担当者は、各マーケットの規制や基準に適合するため技術のブレークスルーと必要な投資を行うとした。フォードはEPAなどと協力し、実現可能なCO2排出基準の策定を主導してきており、同基準を順守することに尽力しているとする。

  GMは困難ではあるが同社の電動化の未来に対する取り組みと投資によりEPAの目標に貢献できるポジションにあると信じているとコメントした。トヨタとホンダにもコメントを求めたが、現時点で得られてない。

  EPAの規制では、平均CO2排出量の上限を27年モデルでは走行距離1マイル(約1.6キロメートル)当たり170グラム、32年モデルでは同85グラムまで引き下げることが求められている。EPAのロードマップによると、自動車各社は規制に適合するために、米国における32年のEV販売比率を最大56%、PHVを同13%まで引き上げる必要がある。

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