(ブルームバーグ): 17日の外国為替市場の円相場は対ドルで1%上昇。円安是正のため日本銀行の利上げを要求した河野太郎デジタル相のインタビュー記事をきっかけに、海外投資家を中心に円売りポジションを巻き戻す動きが強まり、円が全面高となっている。
円は一時前日比1.2%高の1ドル=156円52銭と、6月12日以来の高値を付けた。政府・日銀が円買い介入を実施したとの観測が浮上した11日以降、約38年ぶりの安値圏である161円台後半から156円台後半まで5円近く、急速な円高が進んでいる。
みずほ銀行金融市場部グローバル為替トレーディングチームの南英明ヴァイスプレジデントは、欧州時間に入ってから河野大臣のインタビューに海外投資家が反応していると指摘。米政権による対中半導体規制強化に関する報道もあり、「ゴルディロックス相場で形成された株高や円売りポジションの巻き戻しが進みやすい」と述べた。
河野デジタル相は17日、ブルームバーグテレビジョンに出演し、急激な円安がもたらす国内物価への影響などの問題を強調。円の価値を高め、エネルギーや食料品のコストを引き下げるために政策金利を引き上げるよう日銀に求めた。
この日の日本市場では、米政府が対中半導体規制のさらなる強化を検討しているとの報道を受け、日経平均株価が午後に下落に転換。リスク回避の流れから円を買い戻す動きが強まった。
(2段落目以降に値動きや市場関係者のコメントを追加します)
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