牛丼チェーンの松屋が深夜料金を本格的に導入しました。目的は深夜に高くなる人件費を価格に転嫁することです。こうした価格変動制は広がりを見せています。
■“ダイナミックプライシング”価格が変動する店 続々と
記者
「午後10時をまわった都内の松屋に来ています。きょうから7%の深夜料金が導入されます」
16日夜、関東の1都6県の「松屋」で本格導入された深夜料金。午後10時から午前5時まで「牛めし並盛」は430円から460円に。
利用者
「7%がちょっといいとこつくなという感じですよね。10%だとウッてなる気がするけど、7%だったら仕方ないなと」
「一律よりは納得感はある。深夜(店を)開けていることによるいろいろなコストは当然あると思うので」
牛丼チェーン店では4月に「すき家」も設定した「深夜料金」。いま広がっている理由は…
ニッセイ基礎研究所 久我尚子 上席研究員
「元々、飲食店とか、コンビニエンスストアでは、深夜帯のアルバイト代は日中よりも高く設定されているので、企業としてはコストがかかっている時間帯。企業の利益を得る上でも価格転嫁をせざるを得なくなってきた」
さらに最近では…
ニッセイ基礎研究所 久我尚子 上席研究員
「リアルタイムでデータが流通して、サービス提供側としても、利用者側としてもデータをうまく活用して、自分のライフスタイルに合った消費行動ができるようになっている」
時間帯や需要に応じて価格を調整する「ダイナミックプライシング」が広がりを見せているのです。
こちらは都内のサウナ施設。アプリで混雑具合が事前にわかるため、忙しいビジネスマンを中心に人気があるといいますが、特徴は他にも…
SAUNAXX 芦名勇舗ディレクター
「ダイナミックプライシングで、需要と供給に応じて利用料金が変わってくるのが大きな特徴」
基本料金は1500円。しかし、利用客が定員の半分を上回ると自動的に2200円に上がります。
利用者
「安い時間を狙っていくようになると思います」
「人が少ないと入りやすいです。すごくいいと思います。時代に合っていて」
SAUNAXX 芦名勇舗ディレクター
「一番はお客さんの待ち時間が全くない。さらに混んでる時間帯に店舗の売り上げが上がる」
ダイナミックプライシング、どこまで広がるのでしょうか?
■混雑回避でお得なサービス 洗濯&食事も“価格変動”
井上貴博キャスター:
時間帯や需要に応じて価格を調整する『ダイナミックプライシング』が広がりを見せています。コインランドリーの大手チェーンでは2024年4月からサービスを開始。現在、「wash-plus」など13店舗が導入しているそうです。
価格変動の仕組みは、“曇りが続くと来店客減” “雨が続くと来店客増”というこれまでの稼働データに、天気予報を加えたものをAIが分析します。
wash-plusでは、変動する価格を“予報”し、事前に確認と比較ができるそうです。(専用アプリへの登録と使用するコインランドリーとの連動が必要)
さらに飲食店でも実証実験が始まっています。TOPPANは7月から4店舗でセンサーを設置し、混雑状況をリアルタイムで把握し、さらに天気/曜日・時間帯などを加えたものをAIが分析し“適正価格”を予測するということです。
利用者は専用アプリ「イマショク」で混雑度を確認できるそうです。また空き状況に応じてポイント付与率UP(ポイントは次回の来店以降使用可)などのサービスが受けられるそうです。
実証に参加した飲食店Bistro comaの担当者は「平日や早い時間の空席を埋める効果に期待したい」といいます。
実証実験は2023年にも行ったそうですが、売上が2割増えたお店もあったそうです。
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