「円安」が止まりません。11日は1ドル=153円台まで下落し、およそ34年ぶりの円安水準となりました。加速する円安は今後、一体いつまで続くのでしょうか?

進む円安いつまで?34年ぶりに153円台 「購入量を減らして…」

東京・中野にある焼き店。鮮度の良さが売りの肉が評判のお店ですが、円安で苦しい状況が続いています。

塩ホルモンさとう 佐藤誠 店主
「オーストラリアのラム肉です。(仕入れ値が)ガーンと上がって

輸入していたラム肉やタンなどの仕入れ値はこの数年でじわじわと上昇。2022年9月、私たちが取材した際にはすでに厳しい経営状況に置かれていました。

佐藤店主(2022年取材)
「2つ(新しい)メニューを作りました。『茹でホルモンの梅しそ和え」というのは、仕込みの際に出た端材(切れ端)をボイルして、少しでもメニューにしようと」

あれから2年、値上げを避けるための経営努力を続けてはいますが…

佐藤店主
「円安が長く続いているので、心の準備をしながら、どう対策していくか常に持ってないといけない。安価で美味しいものを見つけて、他にないような形で提供したり」

円安の影響は家計にも…

横浜市にあるスーパーマーケット セルシオ和田町店では、輸入品の牛肉や豚肉などの仕入れ値がこの2年で1.5~2倍ほどに値上がりしました。

80代男性客 
「アメリカ産のはいいんですけど、高いので国産にしました。購入量を減らしています」

30代女性客
「(1ドル=153円は)ちょっとあり得ない額かな。ドル=110円や120円の感覚でいたので」

マイナス金利解除も…「簡単に円安が落ち着くのは、今のところ想定しにくい」

日銀は3月、マイナス金利を解除し17年ぶりの利上げに踏み切りました。

ところが、4月11日、1ドル=153円台まで下落し、約34年ぶりの円安水準に。歯止めがかかるどころが、逆に円安が進む形になっています。

海外に向かう人は…

日本人旅行客
「アメリカのフロリダに新婚旅行に行きます。ご飯とかも調べたら、日本では考えられない値段なので、そこもちょっと2人で考えながら」

一方、訪日外国人観光客は…

アメリカからの旅行客
「(円安で)想定以上に得をしたので、予定になかったディズニーランド以外の観光もたくさん できそうです」

ゴールデンウィークも間近に控えていますが、円安はいつまで続くのでしょうか?

23ジャーナリスト 経済担当 片山薫 
「今回の円安はアメリカの景気の良さ、そして物価高が原因なのですが、いま中東情勢で原油も上がっているため、アメリカの物価高がすぐに止まる気配はありません。簡単に数か月単位で円安が落ち着くのは、今のところ想定しにくい」

進む円安 国内生産者の追い風になるか

小川彩佳キャスター:
影山さんはカフェを経営されていますが、影響は出ていますか?

カフェ店主・元外資系コンサル 影山知明さん:
コーヒー豆を筆頭に価格が上がっています。さらに難しいのは円安になると、エネルギーコスト全般が上昇していくので、(価格転嫁で)全方位の価格が上がってしまうことですね。

ただそのなかで多少救われているところがあるとすれば、私の店では小麦粉やクルミといった食材は、国産のものを使っているのですが、この円安の状況の見方を少し変えれば、国内生産者の方にとって追い風というか、育成のチャンスであるという言い方もできるとは思います。

しかし、価格転嫁をしないと、どうにもなりません。お客さん側も、賃上げのニュースがありますが、それを上回る物価上昇が起こっていますので、この円安の波が国内産業、中小企業にとどめを刺しかねないという危機感を感じながらやっています。

小川キャスター:
ただ耐えていくということでは越えられないような局面を迎えているのでしょうか。

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