万博開催に向けて関西空港での発着回数が1時間に60本、1分に1本のペースに増える見通しです。そのポイントとなるのが、飛行ルートの変更。騒音問題などの懸念がある中で、地元団体などとの合意がきょう正式に表明されました。
会合を終えた大阪府の吉村知事は、「3空港の合意は重要、環境に配慮したと思っています」と話しました。
兵庫県の斉藤知事は「今後、淡路島の上空の飛行が増えるため、関係者の皆さんと議論し、地元の思いを汲み取って欲しいということも伝えた」と話しました。
◆陸に近いA滑走路を出発便 海側のB滑走路を到着便
関西エアポートによりますと、去年1年間の国内線・国際線の旅客者数は2300万人余りで、飛行機の年間発着回数は約15万7000回でした。
来年の大阪・関西万博では2820万人の来場が想定される中、関西の自治体や経済界で議論が進められてきたのが『関西空港の飛行ルート見直し』です。
関西空港では現在、陸に近いA滑走路を出発便、海側のB滑走路を到着便が使用しています。
これを入れ替え、A滑走路を到着、B滑走路を出発便にする案を去年6月、国交省が示しました。これにより発着回数が、1時間あたり約60回に引き上げられるというのです。なぜなのでしょう?
◆ポイントは「関空ならではの事情」
現状ルートでは、離陸機が西に方向変換した際に、到着機が着陸のやり直しなどをしていた場合、接触するおそれがあるため、出発機は相当直進し、安全な高度に上がってから方向転換するルールになっています。
そのため後続機に待ちが発生するといいます。新たなルートでは海側から離陸した便は着陸機の影響を受けず、速やかに方向転換できるとされます。
ルート変更により、関空の発着は1時間最大46本から約60本に増える見通しです。
一方で発着回数の増加に伴い、淡路島上空を飛行するルートが大幅に増え、騒音問題が懸念されていますが、住民への生活環境への配慮ができるとして、きょう地元団体が合意したことを表明しました。
早ければ来年3月末には新たな飛行ルートでの運用が始まるということです。
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