■いくぞ!万博フェスティバル

箕面自由学園チアリーダー部によるパフォーマンスで始まった大阪・関西万博開幕1年前の記念イベント。

関西にゆかりのある人気バンドによるスペシャルライブも行われ、会場は熱気に包まれました。

万博には、大阪府と大阪市などが「いのち」や「健康」をテーマにパビリオンを出展する予定で、吉村知事らは、キャッチコピー「カラダはひとつ。ミライはむげん。」を発表しました。

【大阪府 吉村洋文知事】「パビリオンだけじゃなくて、毎日のようにステージもやったり、ナイトショーもやったりしますので、楽しめますからね」

また、大阪出身のお笑いコンビ、フットボールアワーの2人には…。
【大阪市 横山英幸市長】「そろそろ、拠点こっちに移していただかないと」
【フットボールアワー後藤さん】「東京、住んでますけど、ずっと大阪の方、向いて住んでますから」
【大阪府 吉村洋文知事】「チケット、買ってないんちゃいます?」
【フットボールアワー後藤さん】「そんな、今すぐに買わなくていいじゃないですか」

そんな中、万博に向けて注目を浴びているは、吉村知事も猛アピールした技術…。
【大阪府 吉村洋文知事】「大阪パビリオンでは、これ以外でも3Dプリンターで、いま肉、作れるんですよ“培養肉”」

3Dプリンターで、“和牛霜降り肉”を再現できるとはどういう事でしょうか?

開発はどこまで進んでいるのか、「霜降り培養肉」の現在地を、取材しました。

■万博の目玉のひとつ「培養肉」 研究の最前線

高級和牛を、自由自在に作れるようになる…そんな夢のような技術の研究が、大阪大学で進んでいます。

【大阪大学大学院 松崎典弥教授】「これが今、実際に作っている培養肉になります」

大阪大学大学院の松崎教授が見せてくれたのは、人工的に作られた「培養肉」です。

まず、牛からとった細胞を培養液にひたして増殖させます。
そして、その細胞を使って、3Dプリンターで筋繊維や脂肪を作り出します。
それらを本物の和牛の構造と同じになるように、1本1本組み合わせていくことで、和牛の霜降り肉も再現できるというのです。

3Dプリンターは、大阪大学大学院の松崎教授と、複数の企業が共同で研究を行い、進化を続けてきました。

2年前、関西テレビの吉原功兼キャスターが松崎教授のラボにお邪魔したときには…。

(Q.繊維を1本ずつ出していくイメージ?)
【大阪大学大学院 松崎典弥教授】「1本ずつ出していきます、この針で」

筋繊維などをプリントする際、ノズルは1つしかなく、1本ずつ作業を進めるしかありませんでしたが…ことしに入って、一度に24本をプリントする新たな機械を開発。培養肉の量産体制が、整い始めています。

進化したのは、これだけではありません。

研究はまだ実際に食べられる段階にはいたっていませんが、「香り」の面で重要なことが分かってきました。

【大阪大学大学院 松崎典弥教授】「色んな香り成分が出てくるんですが、その中で、ここでは和牛に特徴的な、γ‐ノナラクトンという成分を表現してます。ここの青く色がついているピークがγ-ノナラクトンのピークで、こちら(左)が和牛、こちら(右)が培養肉です。和牛の方は、やはりγ-ノナラクトンの成分が、非常に多く出ているんですが、培養肉はまだ少ないんですけれども、このピークはちゃんと観察されていますので、同じような香りを持っているんじゃないかと考えられます」

1年後の万博では、20センチ四方程度の、ステーキ肉のような培養肉の展示を目指していて、現在、細胞のストックを進めています。

一方、私たちの食卓に届くまでには、課題もあります。

【大阪大学大学院 松崎典弥教授】「だいたい1センチ角のお肉作るのが、10万円ぐらい研究開発としてかかる」

今後、コストを下げるには、大量に細胞を作り出すことが必要不可欠で、研究グループは、培養のための巨大なタンクを開発するなど、課題解決を目指しています。

【大阪大学大学院 松崎典弥教授】「来場される方に培養肉というものが、将来、身近にちゃんと食べられる時代がくるんだと、理解していただけると、うれしいなと思います」


(関西テレビ「newsランナー」2024年4月18日放送)

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