(ブルームバーグ): 横浜ゴムが米グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバーの産業用車両などに使われるオフロードタイヤ事業を少なくとも10億ドル(約1615億円)で買収する方向で協議を進めている。
匿名を条件に複数の関係者が明らかにした。他の応札企業が取得を断念したことから、鉱山用車両向けなどの製品を手掛ける同事業の買い手の最有力候補に横浜ゴムが残った。買収額は10億ドルから15億ドルになる可能性があるという。ある関係者は、横浜ゴムは買収に向けて資金調達のために銀行と交渉中であることも明かした。
買収交渉は現在も継続中で最終的に合意に至らない可能性もある。協議について横浜ゴムとグッドイヤーの広報担当はコメントを控えた。
前日比ほぼ横ばいの水準で推移していた横浜ゴムの株価は報道を受けて急落。一時前日比7.1%安の3192円と2022年11月10日以来の日中下落率となった。終値は3318円だった。
国内市場が伸び悩む中、資本財からヘルスケア、テクノロジーなどさまざまな分野の日本企業が事業の多様化と成長を求めて海外企業の資産に目を向けている。
横浜ゴムのウェブサイトによると、横浜ゴムのウェブサイトによると、同社の製品は乗用車やトラック、バスに加えて産業用車両などに用いられている。
米オハイオ州アクロンに本拠を構えるグッドイヤーは昨年11月、少なくとも20億ドルの資金調達を目指して、化学やオフロードタイヤなどの分野で再編を模索していると発表していた。
グッドイヤーは、競合企業がコストの低い国で生産能力を増強して市場シェア拡大を目指していることから業界内の競争激化について懸念を示していた。同社の競合先には横浜ゴムのほか、ブリヂストン、フランスのミシュラン、ドイツのコンチネンタルAG、韓国ハンコックタイヤ&テクノロジーなどが名を連ねている。
グッドイヤーの株価は過去1年で26%下落し、時価総額は約30億ドルとなっている。
--取材協力:Eyk Henning、Kiel Porter、Baiju Kalesh、David Carnevali、エディ・ダン.
(背景情報などを追加して更新します)
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