(ブルームバーグ): 投資家から多額の資金を集めた後、投資収益について虚偽の情報を提供していたカナダのトレーダーに対し、オンタリオ州の裁判所が禁錮4年の刑を言い渡した。
ナサニエル・アンソニー・エイクマン被告は390万カナダ・ドル(約4億6200万円)余りの損害賠償支払いも命じられた。同被告は昨年11月、詐欺および無登録で証券取引した罪を認めていた。
オンタリオ州証券委員会の9日の発表資料によると、エイクマン被告は、さまざまな証券と暗号通貨(仮想通貨)に投資するヘッジファンドだとされる「ヤング・ストリート・キャピタル」の共同創業者の1人。 同委によれば、トロントを東西を分ける主要道路の名前をとって名付けられたヤング・ストリートは3年近くにわたって71人の投資家から620万カナダ・ドル余りを集めていた。
関連案件で規制当局が提出した書類によると、エイクマン被告は、25%の投資リターンを保証するとしたファンドの仕組みを構築。実際にはその資金の多くがヤング・ストリートの「事業とは無関係な目的でエイクマン被告に使用され、投資家が不利益を被った」と同委は指摘した。
エイクマン被告のビジネスパートナーだったサイード・サード・アジズ、ジャジブ・アリ・カーン両被告は、無登録での証券取引で有罪となったが、いずれも詐欺では有罪とならなかった。
同委がアジズ被告に対する訴訟で2021年に提出した書類によると、ヤング・ストリートの証券口座にアクセスできたのはエイクマン被告のみで、他のパートナーはスプレッドシートを通してのみファンドのパフォーマンスを見ることができたという。
投資家は19年8月に口座が清算され、全額が支払われると伝えられた。しかしアジズ被告は自分が「だまされていた」ことを知り、エイクマン被告がファンドの月次リターンを偽っていたことが分かったため、地元警察に告発したという。
原題:Hedge Fund Trader Gets Four-Year Jail Term for Faking Returns(抜粋)
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