(ブルームバーグ): 9日の債券相場は上昇。5年利付国債入札が順調な結果となり買い安心感が広がっている。日本銀行が9、10日に開く債券市場参加者会合で買い入れ減額が大幅になるとの見方は相場の重しだ。

  岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、5年債入札は順調だったと指摘。7月日銀会合で買い入れ減額と同時に利上げが実施されることが意識されつつあり、金利上昇を警戒する時間は続くとしながらも、「5年債の0.6%を超えた水準や10年の1.1%ではある程度の需要が見えた感じで、今後の安心感につながる」と述べた。

  入札結果によると、最低落札価格は99円93銭と市場予想99円89銭を上回り、小さいと好調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は1銭と、前回の2銭から縮小した。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.26倍と、昨年9月以来の高水準となった。

債券市場参加者会合

  債券市場参加者会合は、銀行などのグループが9日午後3時45分から、証券などのグループが午後5時半から、バイサイドグループは10日午後4時半から日銀本店で開かれる。国債買い入れの減額幅や減額のペース、買い入れの在り方について意見を聞く。

  事情に詳しい関係者によると、日銀は出席する金融機関から国債買い入れ減額の幅やペース、枠組みに関して事前に意見を集めているが、会合で減額計画の原案のようなものが提示される可能性は低い。

  SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは「減額の幅やペースについて市場から強めの意見が出やすい」とした上で、「最終的に決めるのは日銀であり、会合の中で日銀側から何かしらのヒントが得られないか」を市場は注視していると述べた。

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