そのおいしさから「赤いダイヤ」と呼ばれ、本マグロに次ぐ高級魚として知られる「ミナミマグロ」。いま、価格が安くなっているようですが、その理由とは?

「ミナミマグロ」 去年より2割安い 2535円→1996円

南波雅俊キャスター:
ミナミマグロ=インドマグロは、クロマグロ(本マグロ)に次ぐ高級品として知られています。主に南半球の南極に近い冷たい海に生息していて、インド洋で多く獲れるということです。

東京中央卸売市場(月報)によると、ミナミマグロの平均卸売価格(1kgあたり)は2割ほど安くなっているということです。

・2023年5月 2535円
・2024年5月 1996円

「ミナミマグロ」の安さの理由について、日本かつお・まぐろ漁業協同組合の香川謙二組合長は、「コロナ禍で外食産業の需要が減り、その後も需要が回復せず、ミナミマグロは冷凍庫に在庫がとどまっている状態。また知名度が低いため、都内のスーパーではほとんど置かれていない。そのため安くなっている」としています。

日比麻音子キャスター:
知名度どころか、マグロの違いを認識するのも難しいです。

産婦人科医 宋美玄さん:
どんな種類があって、今、何マグロを食べているのか分かりません。

南波キャスター:
大きくわけて、マグロは主に5種類です。

▼「クロマグロ」
マグロの中では最高級品で「本マグロ」とも呼ばれる 3210円
▼「ミナミマグロ」
クロマグロに次ぐ高級品 1996円
▼「メバチ」
主に刺身に利用 1145円
▼「キハダ」
刺身や缶詰に利用 1133円
▼「ビンナガ」
油漬けの缶詰に利用 最近は刺身にも 1249円

価格は、「クロマグロ」が一番高く、「ミナミマグロ」はそれに次ぐ値段。「メバチ」「キハダ」「ビンナガ」が大体同じぐらいの値段です。(今年5月の平均卸売価格〔1kgあたり〕 東京中央卸売市場〔月報〕)

スーパーに置かれているマグロは、「クロマグロ(本マグロ)」や「メバチ」「キハダ」が多いということです。

贅沢をする日は「クロマグロ(本マグロ)」を選ぶ場合もありますが、値段の安い「メバチ」「キハダ」「ビンナガ」がよく売れることもあり、「ミナミマグロ」はスーパーにはあまり並ばないそうです。

飲食店では、美味しいし「クロマグロ」より安いので、使われることも多いようです。

「ミナミマグロ」味や食べ方は?甘味が強く味が濃い

「ミナミマグロ」はどんな味なのでしょうか。

斎藤水産の斎藤又雄総括責任者によると「クロマグロ(本マグロ)はさっぱりしているが、ミナミマグロは甘みが強く、5種類の中で味が濃い」ということです。

おすすめの食べ方は「マグロの炙り」「マグロの漬け丼」です。

南波キャスター:
種類はよく分からないということですが、好きなマグロはありますか?

日比キャスター:
元々、高級だったものが安くなるというのは消費者としては嬉しいですが、漁業関係者にとって大変な場面が増えているということかと思います。改めて(マグロの種類を)意識して食べたいと思います。

宋さん:
今、値段が下がっているものはほとんどありません。ちょっとでも漁業のプラスになるのであれば、夏休みにも入るので、マグロの漬け丼を子どもの昼食にしようかなと思います。

南波キャスター:
「クロマグロ(本マグロ)」も漁獲量が増えている影響で価格が下がっているそうですが、「メバチ」「キハダ」「ビンナガ」は価格が下がっていないため、「ミナミマグロ」が今、特にお得だということです。

日本かつお・まぐろ漁業協同組合の香川さんは「ミナミマグロは有名料亭でも出されるくらい上質なマグロです。値段の安い今が食べるチャンス」だといいます。

東京・御徒町にある魚介専門店「吉池」では「ミナミマグロ」が購入できるということですし、寿司店の「ぎんざまぐろや 築地店」では「ミナミマグロ」を食べられるといいます。いずれも、2割くらい安くなっているということです。

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<プロフィール>
宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信し、女性の性に関する著書が人気

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