川崎重工業に重大な疑惑が浮上しました。
去年10月、神戸でお披露目された潜水艦「らいげい」。国内最大級で建造費は約700億円。海上自衛隊からの発注を受け川崎重工業が建造した新型です。国産初の潜水艇を建造してから、パイオニアとして日本の海上防衛の一端を担ってきた川崎重工業。
しかし、潜水艦の修理を担当する神戸造船工場の修繕部が、取り引き先企業との架空取り引きで裏金をねん出し、海上自衛隊の乗組員に金品や飲食代などを提供した疑いがあることがわかりました。
発覚のきっかけは、大阪国税局の税務調査で、架空取り引きによる裏金は6年間で十数億円に上るとみられます。
(川崎重工業の従業員)「衝撃でした。噂は全く聞いたことないですね」
(川崎重工業の従業員)「潜水艦って寡占市場なので、わざわざ便宜を図る意味が分かりません。うちと三菱重工さんで交互に建造しているわけで、これ(契約)をとらないといけない、という動機が分からないですね」
工場では、潜水艦を修理する際、社員と乗組員が共同作業するため懇親会を開くこともあったということです。川崎重工業は、外部の弁護士らによる特別調査委員会を設置し、調査を進めています。
(林芳正官房長官 7月4日)「(防衛省において)潜水艦修理契約における不適切な架空取り引きの状況、自衛隊員の規律違反の疑いの調査、当該架空取り引きに伴う過払いの有無などについて調査を実施している」
林官房長官は今後、厳正に対処していく方針を明らかにしました。
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