物流大手ヤマトホールディングス(HD)と日本航空グループは11日、貨物専用機(フレイター)の運航を開始した。那覇空港を発着する貨物専用機の定期便は、2020年から運休しているANAカーゴ以来となる。生鮮品を中心に西日本へ早く、安定した輸送が可能となり、販路拡大などが期待されている。(政経部・村井規儀)
ヤマトHDはフレイターを2機保有し、それぞれ約28トンの貨物を搭載できる。夏をめどに3機目の運用を開始する。成田や羽田、札幌、北九州、那覇の各空港を結ぶ。
沖縄県内は成田を午前6時発、那覇に同9時着と、那覇を午後3時45分発、北九州に同5時30分着の2便が毎日運航する。就航初日の11日には成田からの便が約16トン、北九州行きの便が約13トンの荷物を運び、北九州行きにはゴーヤーやパイナップルなど県産生鮮食品などが積み込まれた。
貨物専用機(フレイター)の前で記念撮影するヤマトHDやJAL、スプリング・ジャパンの代表者と県内関係者らコンテナを用いる大容量輸送は従来、東京などを経由して陸送するため、西日本各地には集荷翌々日の朝までかかっていた。
一方、ヤマトHDのフレイターは午前中に集荷して北九州に運び、そこから夜間陸送で西日本各地へ向かう事で集荷翌日の朝に到着するスピード輸送を見込む。
クロネコのロゴが目をひく、ヤマトホールディングスの貨物専用機定期便による安定的な輸送も強みだ。沖縄ヤマト運輸はメリットをアピールし、県内卸業者や生産者へフレイターの利用を呼びかけていく。
就航記念セレモニーでヤマトHDの長尾裕社長は「今後の就航先やダイヤを柔軟に考えている。国際路線も検討している」と話した。玉城デニー知事も「安定した輸送はサービス、質の向上につながる」と話し、沖縄国際物流ハブの発展へ期待を寄せた。
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