ふるさと納税をめぐって楽天グループと総務省が激しいバトルです。総務省がふるさと納税をした人がもらえるポイントを禁止すると決めたことに、楽天の三木谷社長が「意味不明だ」と猛反発。反対の署名活動を始めました。

楽天・三木谷社長「プラットフォーム負担のポイントも禁止は、意味が不明」

南波雅俊キャスター:
2008年から始まった「ふるさと納税」ですが、ポイント付与をめぐり波紋が広がっています。

総務省HPによると、ふるさと納税の寄付額は、少し落ちていた2019年度から上がってきていて、2022年度は約9654億円となっています。

こうした状況の中で、仲介サイト間でポイント競争の激化もおきているということです。

松本 総務大臣(6月25日)
「自治体がポイント等を付与する仲介サイトを通じて、寄付を募集することを、(2025年10月から)禁止します」

これに対して…

楽天 三木谷浩史 社長(6月27日 公式SNS)
「プラットフォームが負担しているポイントも禁止とか、意味が不明だ。傲慢すぎる」

ホラン千秋キャスター:
そもそもプラットフォームが負担しているのであれば、企業の仕組みの一部でもあるので、「意味が不明だ」という三木谷さんの主張もわかる気がします。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
そもそも仲介サイトを通さないと、ふるさと納税は回っていかないと思います。それ自体は国も認めていると思いますが、今回、三木谷さんはポイントの付与方法に対して主張しているのかなと感じます。

やはりポイントといえば、楽天は他のサービスもたくさんやっています。他のサービスとの使いやすさという意味でも、楽天には大手としての優位性はあると感じます。

井上貴博キャスター:
もともとは、総務省はポイントの原資を自治体が負担をしている認識だとしていました。仲介サイトが税金を食い物にしている状況はよくない、となりました。

しかし、楽天も、他の事業者も、ポイントは自社負担という事になると、むしろポイントで恩恵を受け、ふるさと納税の裾野が広がっている。

どの仲介サイトがそういう状況なのか、総務省が細かい情報を出さないと、我々には判断できないと思います。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
松本総務大臣は会見で「細かいお金の流れは不明」と言っていましたが、楽天がポイントを付与することで、仲介業者としての契約、お金の交渉などをどうやっているかにもなってくる気がします。

自治体独自サイト運営も 全体の99%が“仲介サイトからの寄付”

南波キャスター:
松本総務大臣は「お金の流れを見れば、寄付額から仲介サイトに入って、ポイントのお金も出ていると言っていい部分もあるのではないかと思った」などと話していました。

匿名を条件に取材を受けてくれた山形県の“とある自治体”では、かつて、自治体独自のサイトで運営をしていたそうですが、当時は寄付者が全く現れなかったということです。

その後、仲介サイトを利用したところ、仲介サイトからの寄付が全体の99%になったといいます。

関係者
「消費者目線で考えれば、便利なところから寄付するのは当然。仲介サイトの存在は自治体にとっても重要」

そして、ポイント付与の影響について、山形県の“とある自治体”は「ポイント付与率が高い日は明確に寄付が多い」といいます。

例えば1万円に対して、100ポイントの日もあれば、200ポイントの日もあるというわけです。

ポイント上乗せ分の手数料について「取引高の8~12%。サイト側がポイントを増やしても、自治体の負担は増えない。ただ、ポイントアップで契約料を上げる打診はあった」と答えました。

山形県の“とある自治体”
「総務省が何をやりたいのか図りかねる。単にポイント付与サイト経由の寄付を禁止にしたら、ふるさと納税は、しぼむ可能性も。自治体は多少なりとも『なんで?』と思っているはず」

井上キャスター:
総務省のやり方として、いきなり発表するよりも、もう少し水面下で事業者と話し合いをして、どういう状況なのかを詰めてからでも良かったのではないでしょうか。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
準備期間は多少とっていますが、実態を把握できているのか、わからないですね。

ホランキャスター:
もしかしたら総務省が言うようなサイトもあるのかもしれないですが、各自治体に「ホームページを作ってください」となると、その体力がない自治体もあるかもしれません。どう正しく運営していくかですよね。

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<プロフィール>
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父

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