(ブルームバーグ): 積水ハウスは2日、大型劣後債の発行条件を決定した。日本銀行が追加利上げに踏み切るとの観測が広がる中、国内市場では企業による社債発行が記録的なペースとなっている。

  積水ハウスは2本立てで総額2000億円の劣後債を起債した。調達資金は1月に発表した米M.D.C.ホールディングスの買収に伴う借入金の一部返済に充てる予定だ。

  日銀の金融政策正常化に伴う金利の先高観から、企業は金利が上昇する前に資金を確保しようと動いている。武田薬品工業と日本製鉄は6月にハイブリッド債を発行。ブルームバーグのデータによると、国内企業の2024年上半期の社債発行額は、同期間として過去最高の総額約7兆8000億円に達した。

  積水ハウスが起債した劣後債のうち、最終償還年限が40年で発行から10年後に期限前償還が可能になる40年NC10債の国債スプレッド(上乗せ金利)は145ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。これは、日本の大手格付け会社2社のうち、格付投資情報センター (R&I)の信用格付けが同社よりやや劣る日本製鉄が先月起債した同年限の劣後債の137bpを上回る。

  今回の起債は日銀の金融政策を巡る不透明感が強い中で行われた。主幹事の一つ、大和証券は、先月の武田薬品と日鉄の大型案件もあり、ハイブリッド社債市場の需給の緩みが懸念される中での起債だったと話した。

(スプレッドの比較と主幹事のコメントを第4、5段落に追加します)

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