(ブルームバーグ): 2日の債券相場は下落が予想されている。米国市場で長期金利が上昇したことに加え、為替市場での円安進行を受けて日本銀行が国債買い入れの大幅減額や早期の追加利上げに踏み切ることへの警戒感が高まる。半面、10年国債入札を無難に終えるとの観測は相場の支えとなりそうだ。

  SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、10年国債入札は7月の日銀金融政策決定会合に向けた投資家のスタンスをはかる上で重要だと指摘。前回6月入札が順調だったことや、金利水準が直近のピーク近くにあることから、「無難に終えて相場のサポートとなる」とみている。

  同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは1.06%~1.09%(1日は1.06%で終了)、先物中心限月9月物は142円35銭~142円65銭(同142円65銭)。

  先物夜間取引で9月物は1日の日中取引終値比19銭安の142円46銭で終えた。

10年債入札

・償還日が10年物374回債より3カ月延びる新発375回債として発行される見通し
・1日の発行日前(WI)取引は1.08%。表面利率は前回の0.8%から1.1%に引き上げられる見込み
・発行予定額は2兆6000億円程度

【大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジスト】
・日銀買い入れの減額が決まっていることや足元の円安進展を受け7月会合での利上げ織り込みも進みつつあるように見え、10年国債を必要以上に積極的に買い入れにくいタイミングでの入札だ
・次回入札(8月6日)までを見据えると、10年国債は1.0%台よりも1.1%台での推移時間が長くなる可能性も念頭に、入札に臨む必要がありそうだ
備考:10年利付国債の過去の入札結果 (表)

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