(ブルームバーグ): 香港とマカオの非中国人居住者は中国政府のビザ(査証)規定緩和を受け、中国本土により容易に入境できるようになる。香港とマカオを中国の国家発展計画にさらに取り込む狙いがある。

  中国国家移民管理局は1日、中国籍のない香港とマカオの長期滞在者が、本土に入境する5年間の通行証を10日からを得られるようになると発表した。1回の訪問につき最大90日間滞在が可能。何度でも本土に入境できる。

  中国当局はこの政策について、香港とマカオからのビジネスやレジャー目的での非中国人の渡航増加支援を目的としていると説明。中国への香港返還27年目のこの日に発表された今回の措置は、ビジネスの中心地としての香港の地位を押し上げる狙いもある。

  香港もしくはマカオに住んでいるが、中国へのビザなし入境が可能なパスポート(旅券)を持っていない外国人が、今回の渡航規制緩和の恩恵を受ける。数十カ国の外国人が対象になる。

  新しい5年の通行証は永住者向けで、通常は香港またはマカオに少なくとも7年間継続して居住している中国籍のない外国人に適用される。

  中国は、インバウンド観光を後押しするため、フランスやドイツ、スイス、オーストラリアなど、この1年で12カ国以上にビザなし渡航を許可した。

  香港に接する広東省深圳は、手頃な価格でショッピングや食事が楽しめることから香港市民にも人気が高い。

  香港の飲食店や小売企業は、本土の同業者に客を奪われると不満を抱いているが、本土への渡航が増えれば中国が香港を「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」経済圏に一段と組み入れる一助となり得る。

原題:China Offers Foreign Residents in Hong Kong 5-Year Travel Visa(抜粋)

--取材協力:Qianwei Zhang.

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