(ブルームバーグ): アジア時間1日早朝の外国為替市場で、ユーロはドルに対して上昇。6月30日に投開票されたフランス国民議会(下院)選挙の第1回投票では、マリーヌ・ルペン氏が事実上率いる極右政党「国民連合(RN)」が事前の一部世論調査より小幅な差で勝利する見込みとなった。

ルペン氏極右最大勢力へ、仏下院選第1回投票-中道・左派は候補調整も

  シドニー時間早朝の取引でユーロは対ドルで一時、前週末比0.2%高の1ユーロ=1.0740ドルと、6月25日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。

  出口調査では、RNの得票はマクロン大統領の中道連合と左派連合をそれぞれ上回るが、第2回投票で絶対多数を確保するのに必要な票数には満たない可能性が示された。

  RNが非常に力強い支持を得ることで、拡張的な財政政策が講じられる可能性が高まると市場は警戒してきた。膨らんだ国家財政が急速にクローズアップされ、ユーロの見通しが一層悪化していた。

  今後の焦点は7日に行われる第2回投票でRNが十分な支持を集め、国民議会で絶対多数を確保できるかどうかだ。マクロン大統領のほか、ルペン氏と対立する勢力は既にRNの政権獲得阻止に向けた戦略策定を進めている。

  リベラム・キャピタルの戦略・アカウンティング・サステナビリティー責任者、ヨアヒム・クレメント氏は「今後1週間はわれわれの前で駆け引きが展開されることになる」と指摘。RNの勢力拡大による影響を低減しようと連携を組む動きが進む中で、今週を通してユーロ高が進むと予想している。

  フランス国債先物の取引はロンドン時間午前1時10分(日本時間午前9時10分)に始まり、現物取引は午前7時(同午後3時)、株式は午前8時(同午後4時)に取引が開始される。

原題:Euro Rises on Bets Le Pen to Fall Short of Absolute Majority(抜粋)

--取材協力:Allegra Catelli.

(4段落目以降に背景や市場関係者の話を追加して更新します)

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