(ブルームバーグ): インド準備銀行(中央銀行)のダス総裁は25日、インドの経済成長率は着実に8%に近づいているものの、インフレを抑え込むことが必要不可欠だとの認識を示した。

ダス総裁はムンバイ商工会議所での講演で、「インドは成長軌道の大きな構造転換の入り口に立っており、年間成長率は8%に向かいつつある。過去3年間の平均成長率は8.3%で、2023-24年度の世界経済成長への寄与度は18.5%だった」と述べた。

また、4月に始まった本年度の成長率が7.2%になるとの予測にインド中銀は自信を持っていると発言。現時点で、経済の「成長モメンタムは極めて強く、失速する理由は見当たらない」としたほか、中銀が現在考案中のモデルはモメンタムのさらなる加速を示唆していると説明した。

その上で、安定した成長を維持するには、政策担当者はインフレを抑制しなければならないと指摘。一度でも悪天候が起きれば、野菜価格が上昇し、ヘッドラインのインフレ率は「5%になるだろう」と予測した。インドのインフレ率は落ち着きつつあり、5月は4.75%だったが、中銀の目標である4%にはやや遠い。

インド中銀は「明確で曖昧な部分のない焦点とコミットメントを持って」インフレ目標の達成を目指す必要があるとダス総裁は指摘。この段階で混乱が生じれば、「成長を著しく損なうことになる」と語った。

原題:India Moving Steadily Toward 8% Annual Growth, RBI Chief Says(抜粋)

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