京都にある芸能人御用達の焼肉店を運営する会社が自己破産申請の準備に入ったことがわかりました。

帝国データバンクによると、京都市内で「焼肉北山」を運営する株式会社ロックスが、今月10日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったということです。

■近江牛をリーズナブルな価格で提供「芸能人御用達」

ロックスは、1987年に設立された飲食業者で、運営する「焼肉北山」は芸能人御用達の焼肉店としてグルメ雑誌などで取り上げられ、近江牛など厳選された上質の黒毛和牛をリーズナブルな価格で提供することで、リピート客を確保していました。

■同業者との競合激化 コロナの休業補償金でしのぐも 人手不足と人件費高騰が響く

ピーク時には3店舗を運営していましたが、近年は「下鴨店」と「四条東洞院店」の2店舗体制となり、いずれも京都市営地下鉄烏丸線から徒歩圏内と立地条件も良く、およそ1億5000万円程度の年商で推移していましたが、同業者との競合激化で売り上げが次第に減っていき、2020年以降は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から時短営業を余儀なくされ、利用客が伸び悩んでいたということです。

新型コロナの休業補償金などでしのいでいたものの、コロナ禍の長期化で業績の回復が遅れ、支払遅延が頻発するなど信用不安が高まっていました。

そして、人手不足や人件費の高騰などから去年4月に「四条東洞院店」を閉店。
業績改善に向けて取り組んでいたものの実らず、事業継続を断念しました。

負債総額については調査中だということです。


■「人手不足と人件費高騰のダブルパンチ。今後も倒産は増える」と専門家 

帝国データバンク京都支店情報部の野田圭祐さんは「現在、飲食業や観光業の景気はいいものの、人手不足が深刻です。お店に飲みに行っても、店員さんが少なすぎて、席が空いていても店内に通してもらえないという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。コロナの補償金でしのげなくなったところに、人件費の高騰と人手不足のダブルパンチで経営が厳しい飲食店は多く、今後も、飲食関係は倒産が増える可能性が高いとみています」と話しています。

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