円安が一段と進んでいる。
円相場は、1ドル = 155円台を目前にした取引が続いている。

17日の東京外国為替市場の円相場は、一時1ドル = 154円70銭台と、約34年ぶりの円安ドル高水準をつけた。

FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)のパウエル議長が、利下げに踏み切るまでにはさらに時間を要するという認識を示したことで、アメリカの利下げが遅れるとの見方が広がり、ドル買い円売りの動きが強まっている。

市場関係者の間では、155円を政府による防衛ラインとみて、介入を警戒する動きも広がっている。

一方、財務省が発表した2023年度の貿易統計で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は5兆8919億円の赤字となった。

原油高騰が一服したことなどから、赤字幅は前の年度から縮小したものの、円安が響き、貿易収支の赤字は3年連続となっている。

フジテレビ・智田裕一解説副委員長によると、今回の為替介入には2つの懸念があるという。

1つ目は「大義」があるかどうか。

国際的に介入が許されるのは、相場が激しい変動を見せたり、経済の流れに逆らって動く場合などに限られるとされている。
今回のように、経済データなどに反応して円安が進んでいる場合の介入は、日本だけの理屈になるとして、理解が得にくい可能性もある。

2つめは「為替介入の効果」について。

今の円安は、日米の金利差といった大きな要因で動いている。
そのため、介入の効果は限定的となるおそれがあり、円安のトレンド自体を転換させることは難しいと考えられる。

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