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 主にイワシを原料にした「魚粉」の価格が高騰しています。その影響は、ラーメン店や養殖業者にまで広がっていました。

■ラーメン店「3割4割くらい上がっている」

魚介系のラーメン この記事の写真

 取材した店で出しているのは、魚介系のラーメン。一口飲めば、魚介の香りが広がる味わい深いスープが人気ですが、店主には今、ある悩みがあります。

ラーメン大木戸 渕上勝吾店主
「やっぱり、材料がだいぶ高騰していて、厳しいですね。最近取れないということで、片口煮干しがものすごく高いですね」 「煮干し」と「魚粉」の高騰

 悩みの原因は、魚介系ラーメンに欠かせない、主にイワシ類を原料とする「煮干し」と「魚粉」の高騰です。

渕上店主
「(魚粉は)多分3割4割くらい上がっているんじゃないですかね。ラーメンの値段を上げるわけにはいかないので、それはもうしょうがないですね」 他のメニューの値上げで対応

 ラーメンは値上げせず、他のメニューを値上げして対応していくしかないということですが…。

渕上店主
「今までと違う材料を使ったりとか、視野に入れていかないといけない」 魚の養殖業にまで打撃

 魚粉の高騰はラーメン店だけでなく、魚の養殖業にまで打撃を与えています。

ブリやマダイなど養殖魚のエサの魚粉価格↑

 ブリやマダイなど養殖魚のエサには魚粉が使われていて、その価格も上がっているのです。

 養殖者が悲鳴を上げる値上がり。なぜ今、魚粉は高騰しているのでしょうか?

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■養殖業も死活問題「育てるだけ赤字」

■養殖業も死活問題「育てるだけ赤字」

養殖者は頭を抱える 全国海水養魚協会 専務理事
中平博史さん

「今、水産物の需要がかなり世界中で増えていまして。世界的に魚粉の需要が上がってきている。それに合わせて、今の円安で魚粉は輸入に頼っていますので。(価格が)上がってきている」 1年半の間に4回値上がり→価格は1.5倍

 養殖者がエサとして使う魚粉は、この1年半の間に4回値上げされ、価格は1.5倍になりました。

 エサ代は養殖魚の生産コストのおよそ7割を占めているため、値上がりは死活問題です。

養殖者「育てるだけ赤字」 中平さん
「育てれば育てるだけ赤字。価格転嫁するという動きもありますけど、全体的にはまだ価格転嫁できない」 魚粉の代わりになる新たなエサの模索

 現状を打破するために、魚粉の代わりになる新たなエサの模索をしているといいます。

中平さん
「魚粉の使用量を減らしていくと、やはり打開策を見つけていかないと。安定的においしい魚を食べられなくなる可能性があります」

(「グッド!モーニング」2024年6月21日放送分より)

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