三井住友銀行が、いわゆる“年功序列”を廃止するなど、人事制度を抜本的に変更することが分かった。実績によっては、20代でも年収2000万円も可能となるという。
この年齢にとらわれない昇進について、街の人たちから「いいと思う」「プレッシャーになるかもしれない」といったさまざまな声が聞かれた。
こういった人事制度改革は、さらなる広がりをみせるのだろうか。
三井住友銀行が“年功序列”を廃止
三井住友銀行が新たに打ち出した「年功序列を廃止する」などの異例ともいえる人事制度改革だが、一体どんなものがあるのか詳しく見ていく。
この記事の画像(15枚)まず、デジタル部門など専門分野の人材には、年収5000万円前後の提示する。さらに、実績によっては20代でも年収2000万円も可能となる、年齢にとらわれない昇進も行うという。
街行く人からは、次のような意見が聞かれた。
大学3年生:
すごいです。こんなにもうかるのかなと思います。新しいなと思います。20代で年収2000万円。逆にその分、実力社会が目に見えるので、プレッシャーになるかもしれない。抜かされたりしたら、何で自分できない…とか思いそう。
また、30代男性からは「すごくいいと思います。(不動産業界は?)どちらかというとこういう感じ。能力がある人間が評価される業界。大手がやっていかないと、中堅ベンチャーもやっていかない。そういった意味では、すごくいいと思います。年配の方というより若い方用(の制度)じゃないですか」といった声が聞かれた。
この他にも、入社年次が給与に反映される、いわゆる年功序列制度の廃止や、51歳の誕生日を境に、重要な管理職以外の社員の給与が引き下げられていた中高年社員の一律減給廃止する。
さらに、転勤など引っ越しの伴う異動については、その可否を選択できるようになるという。
60代:
年功序列の廃止、いいことじゃないですかね。中高年社員の減給廃止、いいことじゃないですかね。年で決める必要はない。
人事制度改革の背景には「優秀な人材確保のため」
このような人事制度改革について、専門家に話を聞いた。
経済アナリストの林大吾さんは、制度改革に至った背景を、「最大のポイントは、優秀な人材を確保できなくなっていること。働く側から見た人気業種、選択肢が増えてきて、そこでいかに優秀な人材を確保するために、人事制度を変えることは必要不可欠」と推測する。
また、こういった人事制度改革のさらなる広がりについて林さんに聞くと…。
経済アナリスト 林大吾さん:
間違いなく今回の動きをきっかけに、地方の銀行にも広がっていく。(他の業種でも)この10年くらいで、相当、年功序列がなくなっている。
さらに、林さんは「大手商社もそういったもの(年功序列)をなくしている。外資系の投資銀行やコンサルは、極めて強い成果主義、能力主義。そちらに日本の伝統的な大企業が合わせる動きが、ここ10年進んでいる」と述べた。
三井住友銀行は、新人事制度を2年後をめどに行う見通しだ。
(「イット!」6月18日放送より)
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