秋田県男鹿市から秋田市沖で計画されている洋上風力発電事業が、漁業にどれだけ影響するかの調査について話し合う初めての会議が17日に開かれ、川や湖などの内水面漁業者から「サケやアユへの影響は避けてほしい」などの意見が出された。

「男鹿市・潟上市・秋田市沖」では、国内最大の発電会社JERAや電源開発などで構成する企業連合が、着床式の風車21基を設置し、一般海域で国内で最も早い4年後の2028年6月の運転開始を目指している。

17日は、発電事業の漁業への影響を考える初めての会議が開かれ、事業者や漁業関係者など約30人が出席した。

会議では、発電事業者が「漁業影響調査の期間は、風車建設前の2025年4月から、運転開始後の3年間の合わせて6年」と報告した。その上で、漁業者にヒアリングして具体的な手法や調査の対象となる魚の種類を決める。

一方、川や湖などの内水面漁業者から「海で育ったサケは男鹿の船越水道を通って遡上(そじょう)してくるので、影響が出ないようにしてほしい」といった意見や、「調査の延長は考えているのか」といった質問が出された。

 秋田県内水面漁業協同組合連合会・村上久夫副会長:
「風車建設の際、工事の打撃音や振動で、かなり影響が出るんじゃないかと思っている。アユの遡上だけは絶対に妨害しないでほしい」

 発電事業者(電源開発)・丸川聡志さん:
「われわれの事業が漁業者に大きな影響を与え得ることを非常に不安に思われていることを、実際に聞いて感じた。懸念や不安をしっかり解消できるように調査をやっていく責務を、改めて実感した」

発電事業者は、10月に漁業影響調査の計画案を示し、12月に正式に策定したいとしている。

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