盛岡地方裁判所から破産手続き開始の決定を受けた岩手県雫石町の老舗旅館「長栄館」が6月15日に営業を終了しました。

雫石町の長栄館は1952年に創業した鶯宿温泉の旅館です。
新型コロナウイルスの影響で宿泊客が減少して赤字経営が続き、2024年2月に盛岡地裁から破産手続き開始の決定を受けました。

最後の営業となった14日から15日にかけては70人以上が宿泊したということで、利用客からは営業終了を惜しむ声が聞かれました。

宿泊客
「(長栄館は)落ち着くというか休めるというか、本当に忘れられない」
「ここの温泉が好きで最後にと思って来た。寂しいけれど、また再開すれば良いと思う」

中にはかつて18年間長栄館で働いた元従業員もいました。

長栄館の元従業員
「長年働かせていただいた場所でもあるし、誰が来て働いても本当に家族的な旅館なので悲しい」

この日、長栄館は72年の歴史に幕を閉じ、従業員28人は解雇されました。

今後も事業の譲渡先を探していくということです。

長栄館を巡っては元社長が国の補助金をだまし取ったとして逮捕・起訴されています。

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