顧客企業の非公開情報を同意を得ずに共有していたなどとして、証券取引等監視委員会は三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の銀行と証券会社2社に行政処分を行うよう、金融庁に勧告しました。

勧告の対象となったのは▼三菱UFJ銀行、▼三菱UFJモルガン・スタンレー証券、▼モルガン・スタンレーMUFG証券のあわせて3社です。

法令に基づき、同じグループ内の銀行と証券会社の間での取引先企業の非公開情報の共有は「ファイアーウォール規制」によって制限されています。

しかし、証券取引等監視委員会によりますと、3社は顧客企業に関する非公開の情報を銀行と証券会社の間で無断で共有していて、不適切な情報のやり取りはあわせて26回にのぼるということです。中には、顧客企業の役員が情報の共有をしないよう求めていたにもかかわらず、三菱UFJ銀行の当時の専務執行役員が三菱UFJモルガン・スタンレー証券の当時の副社長に対し、非公開の情報を提供していたケースもあるとしています。

さらに、三菱UFJ銀行は顧客企業に対して、銀行には認められていない有価証券の勧誘行為も行っていたということで、こうした行為が複数の部署であわせて少なくとも28回行われたとしています。

監視委員会は「適切な業務運営を確保するための経営管理態勢に不備がある」として、3社に行政処分を行うよう金融庁に勧告しました。

勧告について、三菱UFJ銀行と三菱モルガン・スタンレー証券は「モニタリング部署による検知やけん制についても態勢が不十分であった。再発防止策に全力をあげて取り組み、内部管理態勢の一層の充実・強化を図ってまいります」とコメントしました。

また、モルガン・スタンレーMUFG証券も「この度の勧告を真摯に受け止め、内部管理態勢の一層の強化を図ってまいります」とコメントしています。

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