6月14日は年金の支給日。
6月から年金の支給額は、2.7%アップする。

増えた分、何に使うのか、それとも使わないのか、街で取材した。

年金支給日の14日、東京・巣鴨の金融機関には多くの年金生活者と見られる人たちの姿があった。

銀行から出てきたのは、ロサンゼルス・ドジャース、山本由伸選手のユニホームを着た男性。

男性が喜ぶ訳は、年金の支給額にあった。
年金の額が7000円増えたという。

物価の上昇などにともなう措置で、6月の支給分から2.7%アップ。

受け取った側の気持ちも上がっていた。

70代の男性は「(増額した)7000円で大谷さんのユニホーム買おうかな」とうれしそうな様子だった。

基礎年金にあたる国民年金はこれまで月額約6万6000円だったが、6月の支給分から月額約6万8000円へ。

厚生年金は夫婦2人のモデル世帯で、これまで月額約22万4000円だったが、6月の支給分から月額約23万円となる。

「イット!」は街の年金受給者に増えた年金でぜいたくをするか節約をするか聞いた。

80代の女性は、物価高のため「自炊を続け節約する」と答えた。

節約派:
(外食はどれくらいしていない?)7年。外ではもったいなくて。クーラーも2年前に壊れてから買い替えられない

節約派から上がるのは多くが苦しい声。

節約派の女性たちからは、「年金が上がっても貯蓄には回せない。その日の食事に消える、苦しいです」「(何を買った?)パンケーキ、220円。こういうのしか買えません」「年金が上がっていた。夫婦2人で4000円くらい。(増えた分は)生活費。物価が高く、食費が多くなっている」などの声が上がった。

年金生活者が集まる巣鴨のカラオケバーでは支給日の14日、いつもにも増して大きな歌声が響いていた。

しかし、増額について返ってきた答えは「2.7%では少なすぎる」という本音だった。

節約派:
苦しい。ぜいたくはできない。今までの蓄えがあるからその分を食いつぶして生活している。(年金が)上がったという感覚はない。2.7%でパーッとできる年金額ではない

一方、ぜいたく派はというと、多くの人がおいしいものが食べたいと答えた。

ぜいたく派:
高級な刺し身。楽しみが食べ物だけ、それとフルーツ

月に13万円ほどの年金を受け取る女性は、増額分で大好きなキウイフルーツを大量に買うぜいたくをした。

街の年金受給者30人に聞いたところ、「節約する」と答えた人は23人。
「ぜいたくをする」と答えた人は7人だった。

年金で暮らす多くの人にとっては、2024年も節約の夏となりそうだ。

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