2023年度の全国の倒産件数は8800件あまりで、9年ぶりの高い水準となりました。

民間の信用調査会社「帝国データバンク」によりますと、2023年度の倒産件数は、前の年度から30.6%増えて8881件でした。9年ぶりの高い水準で、増加率は過去30年で最も高くなりました。

業種別では、「小売業」が前の年度よりも42%多い1874件に、「建設業」も35%多い1749件、「サービス業」は28%多い2187件などとなり、2年連続で7業種のすべてで倒産件数が増えました。

倒産の要因別でみると、「販売不振」がおよそ7000件と全体の8割を占めたほか、経営者の病気や死亡による倒産が285件と2000年以降で最も多くなり、後継者不足が顕著となりました。また「人手不足倒産」は建設業や運輸・通信業などを中心に、313件と過去最多を更新しました。

そのほか、コロナ禍で業績が落ち込んだ企業に対する実質無利子・無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」を受けた後に倒産した件数は699件にのぼり、過去最多となりました。焦げ付きに相当する「コロナ融資喪失総額」は推計でおよそ823億円となりました。

今後、物価の高止まりや人手不足の深刻化などにくわえ、日銀の利上げによる貸出金利の上昇で、中小企業を取り巻く環境は厳しさを増すとみられます。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。