リニア新幹線の静岡工区のトンネル工事をめぐり、水資源や環境へのJR東海の対策を確認する国の会議が初めて静岡県内で開催されました。
12日は会議に先立ち、静岡県とJR東海、そして国の3者の幹部による会合も開かれました。
リニアのトンネル工事をめぐっては、県が懸念する大井川の水資源や南アルプスの環境への影響について国の有識者会議が2023年12月に対策をとりまとめています。
国はJR東海がこの対策に取り組んでいるかを監視するためモニタリング会議を立ち上げていて、3回目の12日は大井川流域の静岡県島田市で開かれました。
会議では会合に先立ち、静岡県の森貴志 副知事とJR東海の宇野護 副社長、それに国交省鉄道局の技術審議官による意見交換も行われたことが報告されました。
この会合の場では、工事で出た土を置くための県の条例の許認可など着工に向けた行政手続きについても情報を共有していて、3者は今後も責任者間の連絡体制も強化していく考えです。
JR東海・宇野護 副社長:
森副知事と国交省が入って3者で意見交換することは今まではなかったので、当事者同士の場をもって意見交換できたことは大変良かったと思います
静岡県・森貴志 副知事:
私が参加したいなと思ったのは情報の多重化の方です。情報はさまざまな場面でさまざまな階層で情報を共有するというのは非常に重要だと思っています。そういう情報をあらゆる場面で獲得できると、そのための機会としては非常に良かったというふうに思っています
委員からは「環境の調査ではリアルタイムでデータを確認するべき」「山梨県側で進むボーリング調査は湧水とともに地質の調査も重要だ」といった意見が出されました。
リニア専門家ら 大井川領域視察
また、モニタリング会議の委員たちは、会議後 大井川流域の施設などを視察しました。
まず向かったのはJR東海が地下水の水位を観測している井戸です。
井戸を確認してJR東海から水位の観測の仕方やデータのとり方などの説明を受けました。
リニア静岡工区モニタリング会議
矢野弘典 座長:
どういう風にモニタリングするかっていうことはわかりましたね
このあと向かったのは、大井川の水をポンプで揚げる揚水機場です。
静岡県の牧之原台地の茶畑に水を送っている施設で、島田市の染谷絹代 市長がその重要性を説明しました。
島田市・染谷絹代 市長:
水を台地の上に上げることができて、いま東洋一の大茶園と言われる牧之原の大茶園が広がっているわけですね
このあと発電所を視察した一行は、さらに13日と14日も静岡工区の残土置き場や作業基地などを視察する予定です。
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