在来の「桐」に比べ成長が早い「早生桐」の試験栽培の見学会が6月3日に雲南市で開かれ、県や島根大学、森林組合などの関係者が生育状況などを確認しました。
見学会は雲南市吉田町で開かれ、島根県や島根大学、地元の森林組合などで林業や樹木研究に携わる15人が、試験栽培を手がける会社の担当者から説明を受けながら、畑や林だった場所に植えられた早生桐の苗の育成状況などを視察しました。
早生桐は、在来の桐に比べ成長が早く、杉やヒノキなどの針葉樹と比べると約10倍の早さで、4年ほどで幹回り1メートル、高さ13メートルにまで成長します。また伐採した後も切り株や根から新しい芽が育ち、大きく成長するということです。
この栽培地には、2023年に880本の苗が植えられ、高さ24センチ、幹の太さが1センチだった苗は、約1年で高さ3.3メートル、太さ5センチほどに成長しました。

しまね東部森林組合・伊藤耕治組合長:
これだけ成長が早い木ですと、フローリング材とか建材などどんどん用途が広がってくる。かなり期待の出来る木の種類だと思います。

たなべたたらの里 山林部・佐藤延幸部長:
耕作放棄地は、ほとんどが人間が手を加えた土地なので、大なり小なり肥料は入っている。そこに早生桐を植えれば成長量はかなりあると思います。

早生桐は成長力が高いだけでなく、二酸化炭素の吸収能力もスギの約5倍と優れていて、地球温暖化対策にも役立つと見込まれています。試験栽培を手掛ける会社では、引き続き成長状況の確認を進めるほか、成木を取り寄せて製材し、販路や流通についても研究することにしています。

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