東京ディズニーシーに待ちに待った新エリアがオープンするなど、テーマパーク業界は今、開業・拡張ラッシュに沸いています。物価高で、消費者の節約志向が高まる中、それでも売上げを伸ばし続けるテーマパーク業界の「魔法の力」に迫りました。(6月8日OA「サタデーステーション」)
■こだわりは“没入感”
報告・庄賀由花ディレクター(6日)
「今オープンしました。続々とゲストが新エリアへと向かっていきます。ラプンツェルの服装をした人やティンカーベルの服装をした子もいます」
6月6日にオープンした東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」は、ディズニー映画「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」そして「ピーター・パン」の世界が再現されています。着工から5年…投資額は、およそ3200億円と開業以来、最大の開発となりました。
訪れたゲスト
「世界観がそのまま反映されていて、来た甲斐があったなという感じです」
こだわりは、映画の世界への“没入感”。それは、アトラクションでも体験できます。
「アナとエルサのフローズンジャーニー」では。
訪れたゲスト
「アナとエルサがすごく人間味あふれているというか。本当にお人形なのか?というくらいリアルで、かわいかった」
「大号泣でした。エルサの「レット・イット・ゴー」のところであがっていって上がった先にエルサがいるとなると…夢みたいです」
そして「世界観への没入」のこだわりは、街並みや自然など、細部にまで及んでいます。
訪れたゲスト
「塔とかが映画のまま、そのまま忠実に再現されているので。世界観に入り込めるなと思いました」
報告・庄賀由花ディレクター
「右手にはカラフルな建物、そして正面にはアレンデール城があります。映画の世界が忠実に再現されています」
お城の中を覗いてみると、エルサの戴冠式のパーティーが開かれた大広間が忠実に再現されています。さらに…。
オリエンタルランド「ファンタジースプリングス」開業準備室 鈴木学室長
「岩肌であったり、そこから流れる滝、そして木々であったり自然のものは、非常にこのエリアを作り上げる大事な要素ですので、そこは苦労して作り上げて、よりリアルに入り込める世界というのを作っております」
このエリアに入るには、東京ディズニーシーの入場後に、アトラクションに乗るための無料のスタンバイパス、または有料のチケットの取得などが必要だということです。
■相次ぐ開業なぜ?
こうしたエリア拡張や新規開業は、続々と広がっています。去年はとしまえん跡地にハリーポッターの体験施設「ワーナーブラザーススタジオツアー東京−メイキング・オブ・ハリー・ポッター」。今年は「イマーシブ・フォート東京」がオープン。さらに今後「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」では、「ドンキーコング・カントリー」エリアの追加や、これまでテーマパークがなかった沖縄でも「JUNGLIA(ジャングリア)」が開業される予定です。
また、遊園地・テーマパークの売り上げは去年、過去最高を記録しています。物価高の影響もありチケット代などが値上がりする中でも、なぜ、テーマパーク市場は順調なのでしょうか。
桜美林大学ビジネスマネジメント学科・山口有次教授
「基本的には、(1人あたりの客)単価が極めて大きく上昇しているということです。テーマパーク市場そのものは、実は潜在需要がずっとあり続けている市場で、推し活のように、いくらでも払うことを惜しまないという人が確実に存在していて、宿泊も含めて非常に大きな消費が生まれている」
一方、中小のテーマパークは、明暗が分かれていて特に地方は難しいと指摘しています。
■“地方の雄”ハウステンボスの戦略
こうした中、今年のゴールデンウィークの入場者数が去年と比べて1.5倍となり、地方でも売り上げを伸ばすのは、ヨーロッパの街並みを再現した長崎県・佐世保市の「ハウステンボス」です。
長崎県からの観光客
「毎月のように来ています。外国に行ったような気分になれる」
横浜からの観光客
「思ったより広くてかなり本格的な印象でした」
実は、これまで経営破綻など試練の連続でしたが、2022年には3年ぶりの黒字に。インバウンドだけでなく、国内からの入園者が増えているといいます。
ハウステンボス マーケティング本部 野中久美子部長
「元々のハウステンボスの強みを活かした。新しいブランドを作りました。『憧れの異世界』です」
今までは、魅力が伝わり切れていなかったといいます。そこで去年、ブランドの再構築を決断しました。オープン当初からの強みである、張りぼてではない本物の建物。その街並みをより活かすために行ったのが…
ハウステンボス マーケティング本部 野中久美子部長
「ここにはちょうど白いところに大きなマップの看板があったんですね。マップを取って景観を美しく見せてみました」
パーク内外にあるヨーロッパの世界観をそぐ看板の撤去に踏み切りました。
ハウステンボス マーケティング本部 野中久美子部長
「大きな看板が並んでいると、どうしても現実に引き戻されてしまうのではないかというところで、ハウステンボスの余韻を少しでも味わっていただきたくて全て取りました」
改善すべき場所は、1000か所にものぼるということです。さらに最近では、新しいアトラクションや、噴水ショーや水遊びが楽しめる新エリアも誕生させました。
ハウステンボス マーケティング本部 野中久美子部長
「(今後も)このハウステンボスの美しい街並みを活かして、環境演出と空間作りを作っていきたいと思います」
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高島彩キャスター
「大型テーマパークの魅力がアップしてますからね。今後さらなるインバウンドも期待できそうですね」
板倉朋希アナウンサー
「テーマパークがポイントになってきそうですが、実は日本政府観光局が、世界22の国と地域を対象に実施した調査で、海外旅行の主な目的として食事に次いで2番目に多かったのがテーマパークだったんです。ただ、このテーマパーク、入園料見てみますと、東京ディズニーリゾート、ユニバーサルスタジオジャパンともに高い日ですと1万円を超える値段になっています」
高島彩キャスター
「変動性っていうのは使う側にとってはとてもいいですよね。一時期、5500円ぐらいだったことを覚えていると、ちょっと高く感じますけども。それだけ、エンターテインメントの質も高くなっているんだということの表れだと思います」
ジャーナリスト柳澤秀夫氏
「両親にしてもそうだし、じいちゃんばあちゃんにしても、やっぱり子どもたちにはね、こういう夢を与えるという意味では、財布のひもを開いて行ってみるのもいいかもしれませんね」
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