ダイコクドラッグに3億円の追徴課税。転売の疑いがある客に免税品を販売していたということです。

 円安などの影響もあり外国人観光客でにぎわう大阪・ミナミ。

 (中国から)「(Q何を買った?)ドラッグストアで、人気商品と口コミが良い商品、友人のおすすめ商品も。あとは自分用に」
 (台湾から)「お菓子と医薬品を買いました。予算は決まっていないです」

 外国人観光客は免税対応の店で個人消費のための商品を5000円以上買い物すると、消費税などの税金が免除される、いわゆる免税制度が適用されます。今回、この免税制度が悪用されました。

 関係者によりますと、ダイコクドラッグの複数の店舗で、日本に住む中国人らが転売目的で化粧品や日用品を大量に購入するケースなどが確認されたということです。不適切な売り上げは2年間(2019年8月期~2021年8月期)で約30億円とみられていて、大阪国税局はダイコクドラッグを運営する「ダイコク」のグループ会社2社に対して過少申告加算税を含めて約3億円を追徴課税しました。親会社のダイコクは「指摘を真摯に受け止めて適正な免税販売に努める」としています。

 免税制度が悪用された今回のケース。インバウンドが戻った大阪・ミナミで実際の買い物の様子を取材してみると、店内にはスーツケースのそばに大量の洗剤が入った買い物かごが。

 (記者リポート)「買い物かごにおさまりきらないほどの洗濯用洗剤を入れている女性がいます。全て自分用なんでしょうか?」

 免税品として購入した場合に国内で開封しないよう入れられる専用の袋を抱えて戻ってくると、大量に買った洗剤・薬・日用品などをスーツケースに詰めていきます。

 (女性)「(Q大量に買っていたと思うが?)…」

 女性は取材班に気付くと足早に去っていきました。

 取材したドラッグストアは、9割以上が中国からの観光客だといいます。免税手続きの際の対応について尋ねると、こう話しました。

 (ドラッグストアの店員)「うちは売るだけ。原因・理由とかはあんまり聞かないかな」
 
 他の店でも…

 (ドラッグストアの店員)「正直言うと難しいですね。中国人で家族多いとか言われたらどうしようもできないから。その判断は僕らはしかねないし、やっぱり買ってくれた方がうちとしてもうれしいから、売る商売をしているわけだし」

 パスポート情報や滞在期間などは確認するものの、転売目的か見極めるのは限界もあるようです。

 こうした中、独自のシステムを導入する店もあります。ビックカメラなんば店の免税優先のレジには多くのインバウンド客の姿が。

 (ビックカメラなんば店 石川麻衣子さん)「客単価というところでは、非常に高額な商品をお買い上げいただいておりますので、インバウンドの売り上げあってのなんば店だなと感じております」

 店舗では転売を防ぐため、パスポートナンバーを照合して、他の系列店で同じものを複数購入していないかデータで確認してきましたが、全て手作業であるため時間がかかる上、確認漏れの可能性も。

 そこで今年5月からグループ約200店で、不審な会計の際に自動で警告が出るシステムを導入しました。

 (ビックカメラなんば店 石川麻衣子さん)「転売の可能性がある購入履歴が確認できるようなパスポートをスキャンした際にはレジでそれを知らせてくれる、警告をしてくれるシステムを導入しております。免税品の転売により一層危機感を持って、今後の販売に務めていかなければいけないなと感じております」

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