季節外れの暑い日が続きますが、来月1日からまた電気代が上がります。30日午後、大手電力10社が6月使用分の電気料金を発表。どこまで負担が大きくなるのでしょうか。
■大手電力10社 全社値上がり
東京は30日で10日連続の夏日。
影響しているのは列島の南にある台風1号です。31日朝にも伊豆諸島に進む見込みで、関東でも雨や風が強まる恐れがあります。関東・甲信地方に5月に接近すれば、実に20年ぶりのことです。その台風から湿った空気が流れ込み、東京は蒸し暑くなりました。
早くもエアコンの出番が増えそうですが、心配なのは電気料金の値上がりです。
30日午後、電力会社10社は来月の使用分から電気料金が値上がりすると発表しました。
標準的な使用料の家庭で各社、前の月と比べて400円から600円前後の上げ幅となります。
東京電力の場合、7月に請求される電気料金は、6月より392円上がり8930円です。
■「ずーっと上がっている」悲鳴も
物価高に加えてさらなる電気料金の値上がりに街の人からは嘆きの声が聞こえてきました。
80代の人
「(Q.月400円くらい上がる)なるべく電気使わないように、暗くなるまで電気使わない。少しでもと思って。きょうだって暑いし、でもきょうも(エアコン)使わない。もう窓開けっ放しにして、なるべく(エアコン)付けない。夜になっても7時くらいまで付けない。早く電気消しちゃう。寝なくても電気消しちゃう」
「(Q.夜はどんな状態?)テレビだけ」
80代の人
「(Q.ちょっと負担が)ちょっとじゃないですね」
「(Q.困りごとは?)エアコン。年寄り90近いからケチって何か体調悪くしたら逆にお金かかるようになるかなって。これだけは削れないかな」
我々の生活への影響はこんなところにも出るかもしれません。
都内のクリーニング店です。
小林ランドリー 小林史明代表
「去年6月使用分、7月請求分、電気代が補助が入った状態で約5万2000円。今年の6月、使用してこれがどうなるかっていうのが。ここから1万円ぐらい上がるんでしょうね」
燃料費高騰の折、できる節約はやり尽くしたといいます。そうしたなかでの電気料金の値上がりです。
小林ランドリー 小林史明代表
「この3年間で下がっているものは基本ない。僕らが使う材料がほぼ石油製品で、またこの電気の問題がってなって。どうなんですかね、ほんとに」
このままだと、今後クリーニング代の値上げも検討せざるを得ない状況だといいます。
■電気料金の“緩和策”が終了
では、なぜこのタイミングで値上がりしたのでしょうか。
エネチェンジ 副事業部長 小笠原光さん
「政府の激変緩和措置という電気代の負担緩和策が終了になってくる」
原因は、ウクライナ侵攻などによるエネルギーの高騰を受け、政府が支給していた補助金の終了です。
補助金は、最大で1キロワットアワーあたり7円。標準的な家庭で1カ月あたり1800円程度支給されていましたが、段階的に縮小され、5月の使用分を最後に終わります。
小笠原光さん
「あくまでもエネルギー価格の高騰による一時的な負担緩和策だったので、もともと永続的に使う続けられる措置でなかった」
それだけではありません。電気料金の中には、すでに別の負担ものしかかっています。
小笠原光さん
「4〜5月のタイミングから再エネ賦課金という料金が少し変わって(再エネ賦課金が)少し上がってきているので、夏の電気代の使用料が増えてくると、そこの影響を非常に感じやすくなるか」
太陽光や風力など再生可能エネルギーを普及するための「再エネ賦課金」。平均的な家庭で月に907円がかかることになります。
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