大阪・関西万博で子どもたちを無料で招待する事業をめぐり、市内の全ての小中学校が現時点で参加する意向がないと表明した大阪府交野市の山本景市長は30日、改めて記者会見を開き、「踏み絵のようなやり方だ」と不満をあらわにしました。
■子ども100万人を無料招待する計画 吉村知事発表
来年開催される大阪・関西万博で大阪府の吉村知事は去年、府内の4歳から高校生までの児童や生徒およそ100万人を万博の会場に無料で招待する計画を発表。
これを受け大阪府教育庁は、府内の学校に対して「遠足」などの形で来場を希望するか5月末までに回答するよう求めています。
■交野市内は全ての小中学校で参加意向なし「学校単位で行かなくてもよい」と市長
ただ、会場へのアクセスの仕方や昼食を食べる場所の有無などあやふやな点が多く、不安の声が教育現場から上がっていて、交野市の山本市長は24日、市内の全ての小中学校が現時点で参加意向がないと明らかにしたうえで、「学校単位では行かなくてもよい」との見解を述べていました。
■実施のアンケートは「希望しない」の選択肢なし
さらに30日、改めて会見を開いた山本市長が不満をあらわにしたのが、大阪府教育庁のアンケートの手法。
教育庁の資料によると、選択肢は「希望する」もしくは「未定・検討中」のみで、「希望しない」がなく、「未定・検討中」を選択した場合は、「個別事務局よりご連絡いたします」との記載があります。
■「踏み絵のようだ」
これについて山本市長は、「未定検討中と回答する場合は、相当な勇気がいる。まるで踏み絵のようだ」と厳しく批判しました。
■3月時点の資料では「希望しない」の選択肢あり
ただ、アンケートの開始前であることし3月の教育庁の資料に記載されたアンケートの「イメージ」では、選択肢は「希望する」または「希望しない」となっています。
■「後で参加したいと希望されても調整困難」と教育庁担当者
今回「希望しない」という選択肢が存在しない理由について、大阪府教育庁の担当者は、「仮に『希望しない』という選択肢を設け、この時点で『希望しない』と回答された場合、万博に関する情報が今後一定明らかとなり、後になって参加したいと希望されても、調整が困難になるとの理由からです。『希望しない』という選択肢がないことについて、様々な意見があることは承知しているが、ご理解いただきたいです」と話しています。
■「アンケートのやり直し必要なし」と吉村知事
また交野市長の意見について問われた吉村知事は30日、記者団に「今回の調査は参加、不参加の判断の結論を求めるものではなくて、どれぐらいの学校が参加希望なのか、また参加希望日はどの日程なのか、どのぐらい重なりがあるのか、円滑に無料招待事業を行うためのアンケートですから、これをもとに様々な課題のより深堀の検討を進めていきたいと思います。ですので、やり直しをする必要はないと思います。課題の検討を深めていく上で、今後もう一度さらにアンケートをする必要があるのかということは、教育長のもとで判断していくということになります」と語り、『今回のアンケートのやり直しをする必要はない』とする考えを示しました。
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