政府は5月の「月例経済報告」で、国内の景気判断を据え置きました。賃金の上昇が物価高に追いつかない中、個人消費の持ち直しへ足踏み状態が続いています。

政府は今月の月例経済報告で、景気の総括判断を「このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している」と先月から据え置きました。

項目別では、一部自動車メーカーによる認証不正問題で生産停止の影響を受けていた「生産」について、工場の再開を背景に、「このところ持ち直しの動きがみられる」と上方修正しました。

一方、「個人消費」や「設備投資」など多くの項目では判断を据え置きました。

とりわけ「個人消費」については、例年より気温が高いことから、エアコンの販売が好調である一方、物価の上昇に賃金の伸びが追い付いていないという根本的な下押し要因が続いていることなどから、今年2月以来、4か月連続で「持ち直しに足踏みがみられる」としました。

新藤経済再生担当大臣
「先行きについては、33年ぶりの高水準となった春闘の賃上げや、来月から実施される所得税、住民税の定額減税などの効果が見込まれるなど、緩やかな回復が続くことが期待をされる」

来月からは4万円の定額減税が始まるほか、春闘の結果が実際の給料に反映される会社が増え始めます。

しかし、電気・ガス代の補助終了や円安による物価高といった家計圧迫の要因もあるため、依然として先行きは不透明なままです。

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