2008年に設立したユーイファクトリーの幸地賢尚(まさたか)代表は高校生の頃、財布に「ブランドを立ち上げる」と書いたメモを入れていたそうです。

 「沖縄の資源を活用して僕にしかできない特産品を作りたい」とハブ革製品の製造に取り組み、さばき・なめしなど独学で学びます。駆除されたハブのみを活用すると当初から決め、できるだけ自然界の生態系に負荷をかけない事業を目指しました。21年には、加工してきたハブ革が環境に配慮した工程であることを証明する、ヘビ革では国内初の「日本エコレザー基準」の認定を取得しました。

 19年、県内藍染めブランド「inD5」との出会いからハブ革の藍染めにチャレンジしますが、藍のpHが強いとハブ革がボロボロになる、藍のpHが弱いとハブ革が染まらない、酸性とアルカリ性のせめぎ合いに試行錯誤の日々。「藍は生きもの」だと実感したそうです。今年3月に「藍ハブ ロング財布」の発売がスタート。幸地さんは「時間がたつと、藍色を押しのけてハブの色味が顔を出してきます。この経年変化の妙も魅力」と話します。

 今月、母校・首里東高校の生徒600人の前で講話する機会があり、「愛ハブ」の志を後輩に伝えました。地域に根差し、唯一無二の商品づくりに挑む、ユーイファクトリーに期待です。

 【メモ】南風原町字新川583。電話098(888)0126。

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(写図説明)幸地賢尚代表

(写図説明)ハブ革を琉球藍にて染色した「藍ハブ ビッグロング財布 フルジップ/ブラック」5万9400円(税込)

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