手ごろな価格で大人気の寿司ネタ「サーモン」。
今、マグロより価格が高くなる異常事態が起きている。

23日、取材班は、神奈川県にある回転寿司店に向かった。
店では、子どもや女性がサーモンを頬張る姿があった。

トロのような脂がのったサーモンは、1皿250円で、北欧のノルウェー産。

しかし2023年、50円値上げをしたばかりだという。

独楽寿司 大和本店・渡邊玲登店長「人気商品なのでやめられない。ずっと使っているので、ノルウェー産を」

ノルウェーのサーモンの輸出価格は、3年前から約2.5倍に上昇していて、この店では、仕入れ値が2倍近くに上がったという。

独楽寿司 大和本店・渡邊玲登店長「値上げは検討すると思う。急に上げるとお客さんが離れる」

価格の高騰で、サーモンは、もはや気軽に食べられるすしではなくなっている。

客「(値上がりしたら)高くて手が出せない」、「好きだから食べます、わたしは」

横浜市内にある回転寿司店では、ノルウェー産サーモンの価格高騰を受け、半年前に南米チリ産に切り替えた。

しかし、値段を見てみると、マグロの赤身は1皿290円だが、生サーモンの値段は350円。
マグロよりサーモンの方が高かった。

この店は、安定的にサーモンを入荷するためにチリ産に変えたが、仕入価格はノルウェー産とほとんど変わらないという。

まぐろ問屋 三浦三崎港・川股竜二大将「サーモンはマグロの中トロの仕入れ値と同じになっている。サーモン価格もそれ(中トロ)ぐらいにしないと合わない。品質を落とさず販売するには、価格を変えないといけない日が来る」

都内にあるスーパーでも、刺し身用のサーモンをチリ産に変え、さらに冷凍することで輸送コストを削減。
100グラム399円という価格になんとか抑えているという。

客「(生のサーモンは)子どもが火を通すと食べやすいので結構使う。(高騰は)つらいです」

ノルウェー産サーモンの価格はなぜ高騰しているのか、専門家に聞いた。

第一生命経済研究所 首席エコノミスト・永濱利廣氏「ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシアの領空を飛行できなくなり、(サーモンを)輸送するとき距離が長くなって、輸送費の高騰でサーモン自体の値段も上がっている。ある程度値段を払わないとサーモンが食べられなくなる覚悟も必要」

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