GDP=国内総生産が発表され、2期ぶりのマイナス成長となりました。株高の一方で個人消費が低迷し、節約志向が鮮明になっています。

■節約志向に買い控え…個人消費が低迷

 内閣府が発表した今年1月から3月のGDPの実質成長率は、前の3カ月と比べて、マイナス0.5%でした。これが1年間続いた場合の年率に換算すると、マイナス2.0%となります。

 企業の業績が絶好調で株価は上がっているにもかかわらず、GDPがマイナスになっている要因について、専門家はこのように話します。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング
小林真一郎主席研究員
「個人消費が低迷をしてきたというのが、一番大きな要因だったかと思います」

 GDPの半分以上を占める個人消費は、前の3カ月と比べてマイナス0.7%となり、リーマン・ショックでの落ち込み以来、15年ぶりに4四半期連続のマイナスになりました。

40代女性
「前よりは出かけなくなったかなっていう感じはありますね」

30代男性
「(外食せず)極力、スーパーに足を運ぶようにしています」

40代女性
「安いっていうイメージのあるところには、人がいっぱいいる気がします」

 物価の影響を考慮した実質賃金は、過去最長となる24カ月連続のマイナスになっています。依然、賃金の上昇を上回る物価高が続いていて、節約志向や買い控えの動きが広がっています。

■専門家「賃金が上がっていくことが期待」

 個人消費の低迷が浮き彫りとなった、今年1月から3月のGDPの実質成長率。皆さんも、最近「欲しいけど、買い控えたもの」は意外と多いのではないでしょうか?

30代男性
「旅行ですかね」

60代男性
「iPhoneの新しいやつかな」

30代男性
「買うとかじゃないんですけど、引っ越しの賃料」
「(Q.引っ越そうとした?)そうです。家賃とかがけっこう高いなというイメージがあって、ちょっとやめたというのはあります」

 物価高による個人消費の抑制は、いつまで続くのでしょうか?

小林主席研究員
「今後については、賃金が上がっていくことが期待されます。名目の賃金が上がってくるということになってくれば、現在、低迷している個人消費も徐々に改善に向かう。(景気は)緩やかな回復基調に転じるのではないか」

 一方で、歴史的円安が続けば、さらなる物価高につながる可能性もあり、消費マインドにどう影響するかが懸念されています。

(「グッド!モーニング」2024年5月17日放送分より)

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