ナクバ(大惨事)の日から76年を迎え、抗議デモに参加する人たち=パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ナブルスで2024年5月15日、松岡大地撮影

 1948年5月のイスラエル建国に伴い約70万人のパレスチナ人が難民となった「ナクバ(大惨事)」の日から76年となった15日、パレスチナ自治区の各地で抗議デモが行われた。イスラエル軍の地上侵攻が進むガザ地区では3万5000人以上が亡くなっており、住民らはガザへの連帯を示しながら故郷帰還を求めた。

 ヨルダン川西岸北部ナブルスで行われたデモでは、参加者がパレスチナの旗や故郷帰還のシンボルである「鍵」を掲げ、「ナクバを決して忘れない」「ガザとともにいる」などと叫びながら中心部を行進した。

 デモに参加したイブティハージ・ナーディさん(58)は「ナクバは悲しい日だ。今、ガザでは多くの人が亡くなり、家を追われている。『第二のナクバ』だ」と語った。

 昨年10月のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘開始後、ヨルダン川西岸でもイスラエルの入植者や治安部隊とパレスチナ住民との間での衝突が激化し、双方に死者が出ている。ヌール・シャリーフさん(36)は「(国際社会が)パレスチナに寄り添ってくれることを願っている」と話した。

 イスラエルとパレスチナの間の和平交渉は長らく停滞してきた。オフード・ファターイルさん(40)は「戦争が起きている今、イスラエルとの和平を語るのは難しい」と指摘。「まずは戦争を終わらせてほしい。我々は平和を望んでいる」と述べた。【ナブルスで松岡大地】

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