イランは13日夜、イスラエルに向けてドローンや弾道ミサイルを発射しました。直接の攻撃は初めてで、「報復の連鎖」につながる懸念が高まっています。
■イランがイスラエルを初めて直接攻撃
赤い光は次々と建物を直撃。夜空で爆発も起こります。
午後11時すぎ、イスラエルの各地にドローンやミサイルによる大規模な攻撃がありました。
「平和の街」を意味するエルサレム上空にも…。
イスラエル軍 報道官
「イランはイラン本土からイスラエルに向け直接攻撃を開始した。自爆ドローン、弾道ミサイル、巡航ミサイルがイスラエルに発射されている」
史上初めて行われたイランによるイスラエルへの直接攻撃。
背景にあるのは「報復」です。
イラン最高指導者 ハメネイ師
「悪意のあるイスラエルの体制はさらに過ちを犯した。それは在シリアイラン大使館への攻撃だ。大使館が攻撃されるということは我々の国が攻撃されたことになる」
1日の大使館への攻撃によってイランの革命防衛隊の司令官らの死亡が確認されていました。
キャスター
「イスラム革命防衛隊による占領地の目標に対する大規模なドローン作戦が数分前に始まりました」
国民はお祭り騒ぎ。
イラン側は「この問題は完了した」と、大使館攻撃に対する報復は果たしたという考えを示しました。
数十キロの爆薬を積んだ「自爆型のドローン」。
こうしたドローンやミサイルは合わせて300以上が発射されたといいます。
イスラエル側は…。
イスラエル軍 報道官
「イスラエルをイランの攻撃から守るために我々の防衛システムで飛来ミサイルの大部分を迎撃しており、巡航ミサイルや弾道ミサイルも同時に迎撃し続けている」
その瞬間もカメラに捉えられていました。
イスラエル軍は防衛システムにより、イランから発射されたミサイルやドローンの大部分を迎撃したと発表しました。
軍の施設やインフラへの被害も軽く、負傷者は数名だったといいますが、南部では7歳の少女が重傷を負ったそうです。
イスラエル ガラント国防相
「イスラエル軍は我々のパートナーであるアメリカ軍とともに迎撃した」
バイデン大統領は週末の予定を切り上げ、ネタニヤフ首相と電話会談を行いました。
アメリカ バイデン大統領
「アメリカはイランに対するいかなる攻撃にも参加せず、そのような作戦を支援する考えはない」
イスラエル ネタニヤフ首相
「分かった」
バイデン大統領は地域紛争に発展することを強く懸念し、イランへの反撃に反対する意志を示したといいます。
ただ、ネタニヤフ首相はイランへの報復を明言。現地メディアによりますと、「前例のない対応計画」を取る方針だといいます。
今後、中東情勢はどうなっていくのでしょうか。専門家は…。
慶応大学 錦田愛子教授
「鍵となるのはイスラエルがどの程度、報復をするか。ただイスラエルはガザでの戦闘を抱えているので、(ハマスとイラン)二正面作戦は避けたいというところはある。(イランとの)全面的な戦闘がすぐに始まることはないと思う」
国連の安全保障理事会はイランによるイスラエルへの攻撃の対応を協議するため、日本時間の15日に緊急会合を開く予定です。
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