ロシア軍の攻撃を受けた住宅地=ウクライナ東部ハリコフで2024年5月14日、ロイター

 ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長は14日、ロシア軍が攻勢をかけた東部ハリコフ州の状況について「安定してきた」とウクライナのテレビで語った。露軍はウクライナ領から撤退していないが「食い止められている」という。ロイター通信によると、露軍は14日までに国境付近の10集落を占領した。

 ブダノフ氏は、緊迫した状況が続いているものの、13日夜から「安定の兆候が出てきた」と述べ、露軍が「決定的な成功を収めたとは言えない」と評価した。ウクライナ軍は「敵を国境の外に押し戻す作戦を続ける」という。一方、ハリコフ州に隣接する北東部スムイ州でも露軍が「同じような作戦を計画している」と指摘した。

 ロシア国防省は14日、新たに国境近くの1集落を制圧したと発表した。ロイターによると露軍は国境から5キロの位置にあるボウチャンスクの制圧を目指しているとみられ、町の北部で戦闘が続いているという。ボウチャンスクと周辺地域からはこれまでに住民7500人以上が避難した。

 また、ロイターによると国境から約30キロ離れたハリコフ市の住宅地に長射程の「滑空爆弾」による攻撃があり、20人以上がけがをした。【ベルリン五十嵐朋子】

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