Open AIは13日、対話型AI『ChatGPT』の最新モデル『GPT−4o』を発表しました。最大の売りは、“ヒトと同じ反応速度で自然な会話ができる”こと。

このAI、親父ギャグに笑ったり、驚いたり、まるで感情を持っているようです。
2013年に公開され、話題になった映画『her』。人がAIに恋する。こんなことが現実になるかもしれません。

ライブデモの様子です。
実演している人:「いま皆の前で実演中なんだけど、ちょっと緊張してるんだ。緊張をほぐすのを手伝ってくれない?」
生成AI:「実演中なの?すごい。深呼吸してみて。大丈夫、あなたはプロなんだから」

照れたりもします。
生成AI:「とてもご機嫌だね。理由を教えて」
実演している人:「君の優秀さをみんなに披露しているからだよ」
生成AI:「やめて、お世辞がすぎるよ」

おとぎ話をリクエストしてみました。
生成AI:「昔々、この世界とよく似たところにバイトというロボットがいました」
実演している人:「もっと感情を込めて、ドラマチックに」
生成AI:「わかった。少し抑揚をつけて」
実演している人:「もっと激しく、ありったけの感情を込めて」
生成AI:「任せて、さらにドラマチックに」

従来のモデルに比べて処理速度が2倍になり、文字や画像、音声による認識能力が大幅に向上しました。

さらに、まるでAIが“目を手に入れた”かのように、スマホのカメラに映るものを全盲の人に説明してくれます。
生成AI:「いまタクシーが1台見えました。道路の左側を走ってきています」

『GPT−4o』は、日本語を含め、50の言語に対応していて、一部の機能は13日から利用できるようになっています。生成AIをめぐっては、グーグルも15日、何らかの発表をするとみられ、開発競争が加速しています。


◆AI研究の第一人者である東京大学大学院の松尾豊教授に聞きました。

松尾教授は「今回のモデルの最大の特徴は、AIが“文章のみから情報を得る”という従来の形ではなく、音声や映像といった複数の情報を同時に組み合わせたうえで、”スムーズに処理”できるようになったこと。これにより、もっと“人間に近い存在”に。ただ、今回のモデル、新しい技術が使われているわけではなく、すでにある技術を高度なレベルで組み合わせたもの」と話します。

ビジネス面をみてみます。
松尾教授は「OpenAI社は、今回のモデルを発表することで、人間がもっとAIを頼るようになることを期待しているのではないか。つまり、AIが人間のように、相手の感情を読みながら、映像や音声を処理し、人間と一緒に仕事に取り組んでいくことで、人間がより多くの仕事をAIに頼むようになることを期待している。例えるなら、優秀な部下が、上司の意向を尊重しながら、ともに仕事をすることで、上司の信頼が高まり、より多くの仕事や権限を任せられていくのに似ている」と話します。

将来的な懸念について、松尾教授は「AIを悪用すれば、詐欺や洗脳が行われる可能性もある」としたうえで、「意思決定の場に、必ず人間を入れるようにすることや、悪用を防ぐために、国際的なルールや法律作りが必要」としています。

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