月が太陽を完全に覆いつくす『皆既日食』がアメリカなど各地で見られました。ニューヨーク州で皆既日食が見られるのは99年ぶりのことで、多くの人が世紀の天体ショーに魅了されました。
■『非常事態宣言』出す州も
NASAいわく、1億5000万人の上空を通過するスペクタクル天体ショー。とんでもない混雑が起きると予想し、アーカンソー州・インディアナ州・ニューヨーク州・テキサス州では、非常事態宣言が発令されました。
「さぁ間もなくです。あと少しです。見てください。すごいコロナが確認できます。ファンタスティック」
神々しい光を放つのは、太陽の大気にあたるコロナ。太陽と月と地球が完全に一直線に並ぶ、皆既日食の瞬間にしか見られないものです。場所によって見え方が違うのも、日食の醍醐味です。
太陽の縁に見える赤い炎のようなものは、太陽の表層部分の大気が磁力で吹き上がる『プロミネンス』と呼ばれる現象です。これだけ鮮明に捉えられたのは、ちょうど今、太陽が活動を活発化させる周期に入ったことが関係しているとみられます。
そして天体ショーはフィナーレへ。太陽が再び姿を表す、そのわずか数秒が作り出す神秘『ダイヤモンドリング』です。
「見たでしょう?涙があふれ、息も詰まり、身震いしました。美しい輪が浮かびあがって、圧倒されました」
「私は92歳。次の皆既日食は20年後だから、これが最後ですね。(Q.その価値は)ありました」
アメリカでは7年前にも皆既日食が見られましたが、今回はそれを上回ると言われています。人口百万人前後の大都市が軌道上にいくつもあるため、より多くの人が見られるからです。NY州内で皆既日食が観測されたのは、実に99年ぶりです。
日本含め、世界中からツアーも組まれていました。いったいどれだけの人が空を見上げていたのか。もはや正確な数は分かりません。
大陸横断の様子を宇宙から捉えた映像では、まるで冥界への入り口を思わせる、巨大な影が移動している様子が映し出されています。
■警戒体制のなか…勝負に出る人も
今回の日食、各地で異例の措置が取られたのもハイライトの1つです。メジャーリーグでは、日食が終わるまで試合開始を遅らせたり、混雑を避けるためトラックの走行を24時間禁止する自治体があったり、4つの州で非常事態宣言が出されたり。天体ショーでこのような警戒体制が敷かれるというのは滅多にないことです。
この“非日常感”に便乗し、一世一代の勝負にでる人もいます。
「ILOVEYOU。結婚してくれますか?」「YES!」
「皆既日食のなか結ばれました。皆既日食の闇を真実の愛が照らしました。どうやって完璧なタイミングを演出できた?」
「分かりません!」「彼女には秘密でした」
この日、アメリカはプロポーズラッシュ。500組近くが結婚した1日にもなりました。
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