トランプ前大統領の支持者らが起こした米連邦議会襲撃事件=米ワシントンで2021年1月6日、高本耕太撮影

 米国が5年以内に内戦に陥る可能性があると答えた有権者は41%――。こんな刺激的な調査結果が保守系の米世論調査機関「ラスムセン社」から発表された。米国では政治や社会の分断が先鋭化し、両極化した人々がお互いを非難し合っている。半年後に控える11月の大統領選を受けて、互いへの不満が爆発するのではないかとの懸念が結果に反映された。

 調査は4月21日から23日にかけて有権者1105人を対象に行われた。5月2日に公表された調査結果によると、今後5年以内に米国が内戦に見舞われる可能性を尋ねた質問に対し、「非常に起こりそうだ」「いくぶん起こりそうだ」と回答した人は合わせて41%だった。一方、「あまり起こりそうにない」と「全く起こりそうにない」は計49%。「分からない」は10%だった。

 党派別でみると、「起こりそうだ」と答えた人の割合は、共和党支持層の54%、民主党支持層の35%、無党派層の32%だった。

 大統領選は、民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領を軸に展開している。どちらが勝った場合により内戦になりやすいかという質問では、「バイデン氏が勝った場合」が37%で最も高く、「トランプ氏が勝った場合」が25%。「どちらが勝っても変わらない」が30%だった。

 2020年の前回大統領選もバイデン氏とトランプ氏の対決だった。バイデン氏の勝利に終わったが、敗北を認めないトランプ氏の支持者らが21年1月6日に連邦議会議事堂を襲撃して占拠し、警察官や暴徒の計5人が死亡する事件が起きている。【ワシントン西田進一郎】

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