イスラエル軍による地上部隊の侵攻で支援物資の搬入が停止しているガザ南部ラファの病院関係者がJNNの取材に応じ、「3日以内に稼働が停止することになる」などと窮状を訴えました。
9日に撮影された、ガザ南部ラファにあるクウェート病院前の映像です。救急車の内部には飛び散った血が。イスラエルの偵察機とみられる飛行音が鳴り響きます。
クウェート病院 ジャマル・アル・ハムス氏
「私たちは訴えたい。現実に起きている状況は極めて悲惨であり、苦しみが伴うものです」
JNNの取材に応じたのは、ラファにある3つの病院のうちの1つ、クウェート病院のジャマル・アル・ハムス氏です。
イスラエル軍は7日、ラファで限定的な地上作戦の開始を発表。支援物資の搬入口となる検問所を掌握し、物資を積んだトラックはガザへと入れない状態が続いています。
クウェート病院 ジャマル・アル・ハムス氏
「もしも検問所が開かなかったり、(支援)トラックの進入が阻止されたりすれば、病院の機能は3日以内に停止します。間違いなく3日以内にです」
ガザ地区全土から避難してきた人を含め、市民100万人以上が避難生活を送るラファ。
WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は8日、3つの病院のうち1つが稼働を停止したと発表しました。クウェート病院の他に稼働している病院は1つだけで、医療体制は崩壊直前だといいます。
クウェート病院 ジャマル・アル・ハムス氏
「患者が手術や内科の治療を受けるために入院が必要な場合でも、病床が足りずに治療が施せないこともあります 。患者が入院するための体制がもうないのです」
クウェート病院には患者が集中し、病床が不足。適切な治療を施せない状態が続いています。
さらに…
クウェート病院 ジャマル・アル・ハムス氏
「私たちは毎日、かなりの燃料を消費しています。24時間病院を稼働させているからです。そのため、燃料が必要なのです。このままであれば3日もたたず、医療機器や設備も止まり、治療も継続できなくなってしまいます」
ラファでは10日も、イスラエル軍の攻撃が続いています。物資の搬入再開のめども立たず、さらなる人道状況の悪化が懸念されます。
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