バイデン大統領(左端)に輪島塗のコーヒーカップを贈った岸田文雄首相(右端)。中央左はバイデン氏の妻ジル氏。同右は首相の妻裕子氏=米ホワイトハウスで9日(内閣広報室提供)

 国賓待遇で訪米中の岸田文雄首相は9日(日本時間10日)、首都ワシントンのレストランで、バイデン大統領との非公式夕食会に臨んだ。首相は夕食会に先立ってホワイトハウスを訪問し、1月の能登半島地震で被災した石川県輪島市の伝統工芸品「輪島塗」のコーヒーカップやボールペン、沖縄県産のコーヒー豆、日本のおもちゃをバイデン氏に贈った。

 日本政府によると、首相はホワイトハウスでのバイデン氏との面会で、能登半島地震の被害に触れながら「今回の訪米のため、輪島塗の若手職人に100以上の工程を経て、心を込めて制作してもらった」と伝えた。また、首相の妻裕子氏は、バイデン氏の妻ジル氏に、高岡銅器のアクセサリーを贈った。

 ホワイトハウスによると、バイデン氏は北米原産の黒クルミ材で作られた三脚テーブル、米国の歌手ビリー・ジョエルさんのサイン入りのLPレコードとリトグラフ(石版画)、米国の楽曲を集めた革製箱入りのビンテージレコードを首相に贈った。裕子氏にはジル氏から、ホワイトハウス南庭で2023年に一緒に植樹した桜を描いた絵画や日米の女子サッカー代表チームのサイン入りサッカーボールが贈られた。

 両首脳は宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタが研究開発中の月面与圧ローバー(探査車)の模型も見るなどし、国際月探査「アルテミス計画」での連携を確認した。

 首相夫妻はバイデン氏夫妻の案内でホワイトハウスを見学した後、ワシントンのシーフードレストランに移動。近郊のメリーランド州の名物クラブケーキ(ケーキのように成形したカニ肉)などを食べた。移動中の車中では、首相とバイデン氏が後部座席に同乗。家族や趣味、日課などについて会話を交わしたという。【ワシントン秋山信一】

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